ロッテの人気アイス「クーリッシュ バニラ」から赤い異物が見つかり、メーカーの調査で血液だったことが確認されたとして、波紋が広がっています。
購入者は2歳の娘に食べさせようとした際に異物に気づき、ロッテに調査を依頼しました。しかし、同社は混入した原因を特定できなかったと説明しており、購入者は原因の徹底究明を求めています。
食品への異物混入は、消費者の健康やメーカーへの信頼にかかわる問題です。今回のケースでは、血液が検出されたという調査結果だけでなく、どの工程で混入したのか、なぜ原因を特定できなかったのかという点にも関心が集まっています。
クーリッシュに血液が混入した経緯
投稿者は夫と2歳の娘を育てる20代の女性。2026年9月12日に購入したクーリッシュを翌13日に開封し、娘に食べさせようと容器を揉んでいたところ、赤い物質が混ざっていることに気づきました。
女性は当初、別の味の商品が混ざったのではないかと考えたといいます。娘に食べさせる前に異物を発見できたため、実際に口にする事態は避けられました。
その後、女性がロッテに連絡すると、担当者が自宅を訪問して商品を回収しました。購入代金の180円が返金され、後日、調査結果について電話で説明を受けたといいます。
ロッテの中央研究所から届いた分析結果報告書には、検査した試料から血液の存在が確認されたという趣旨の結論が記載されていました。同社もENCOUNTの取材に対し、分析の結果、血液であったことを認めています。
ただし、今回の調査で明らかになったのは、回収した試料から血液が検出されたという点です。血液が人由来なのか動物由来なのか、また、どこで混入したのかについては、報道された内容からは確認できていません。
ロッテはなぜ混入原因を特定できなかったのか
ロッテによると、クーリッシュの製造工程では、工場に入る作業員にマスクの着用を義務付けています。また、アイスクリームミックスは密閉された配管内を通り、パウチ容器に自動充填される仕組みになっています。
同社は、このような製造方法から、異物が製造工程で混入した可能性は極めて低いと説明しています。製造日の日報や保存サンプルも確認したものの、製造上の問題は見つからず、異物がどの工程で混入したのかを特定できなかったとしています。
一方、購入者の女性は、製造工程で人が直接関与しないことを理由に、原因不明のままで終わらせてほしくないと訴えています。人の血液なのか動物の血液なのか、どの段階で混入したのかを調べ、同様の事態を防いでほしいという考えです。
2022年にもクーリッシュから血液が出たとの投稿
今回の問題で注目されているのが、過去にも同様の報告があったことです。
クーリッシュから赤い液体が出て、ロッテに調査を依頼した結果、血液だったとするSNS投稿が、2022年7月にも確認されています。投稿者は、商品に口をつける前に異物に気づいたと説明しています。
この過去の投稿でも、製造工程で混入する可能性は低いとの説明を受けたという趣旨の内容が記されていました。今回のケースと共通する部分があるため、過去の事例との関連性を気にする人が出てくるのも無理はありません。
ただし、過去の投稿については、今回の報道だけで検査資料や混入経路まで独立して確認されたわけではありません。複数の投稿があることだけをもって、同じ製造上の問題が繰り返されていると断定することはできません。
また、2025年11月には、ロッテの「チョコパイ」に歯のような異物が混入していたという投稿も話題になりました。ロッテは分析の結果、異物は歯と推定されたと説明しましたが、この件でも混入原因を特定できなかったとしています。
クーリッシュの血液混入とチョコパイの異物混入は、異なる商品で起きた別の事案です。両者に共通の原因があると確認されたわけではありませんが、異物の正体が判明しても混入経路の解明に至らないケースが続いたことは、消費者の不安を強める要因になっています。
自主回収は予定せず ロッテの対応に疑問の声
ロッテは今回の件について、品質管理と衛生管理に万全を期し、安心して食べられる製品づくりに努めると説明しています。一方で、現時点では製造工程上の問題が確認されていないことから、自主回収は予定していないとしています。
自主回収は、異物が見つかったという事実だけで一律に決まるものではありません。混入の危険性や発生範囲、同じ製造ロットの商品に問題が及ぶ可能性などを踏まえた判断が必要になります。
しかし、消費者から見れば、血液が検出されたにもかかわらず原因が分からず、回収も行われないという説明には疑問が残ります。製造上の問題が確認できなかったことと、製品に問題がなかったことは必ずしも同じではありません。
今回の報道では、同一ロットの商品に問題が広がっているかどうかや、混入経路を絞り込むためにどのような追加調査が可能なのかについて、十分な情報は示されていません。今後、メーカーがどこまで調査内容を説明するのかも注目されます。

SNSでは不安や原因究明を求める声
今回の投稿が広がると、SNSでは食品の安全性を心配する反応や、メーカーの対応に疑問を呈する声が見られました。
過去の類似投稿に対しても、「血液が混入していたというのは怖い」「よく食べる商品なので不安になる」「自主回収しなくて大丈夫なのか」といった趣旨の反応が確認されています。日常的に購入する身近な食品だからこそ、自分や家族が食べる商品にも同じことが起きないかと心配する人がいるようです。
一方、異物の混入経路が分からない以上、SNS上の情報だけで製造工程に問題があったと決めつけるべきではないという観点も重要です。原因が特定されていない段階では、憶測を事実のように広めず、メーカーの正式な説明や確認された情報をもとに判断する必要があります。
また、SNSの投稿には、異物を見つけた際の状況や検査結果を公表することで、同様の事例を防ぎたいという意図もあります。企業側が個別の問い合わせに対応するだけでなく、消費者が必要な情報を得られるよう、説明の透明性を高めることも求められます。
問われるのは原因究明と消費者への説明
今回のクーリッシュの問題では、ロッテの調査によって血液が検出されたことが確認されました。しかし、混入した経路や原因は特定されておらず、メーカーは自主回収を予定していないと説明しています。
消費者が求めているのは、単に異物の正体を知らせることだけではありません。どのような可能性を調べ、何が判明し、何が分からなかったのかを具体的に説明し、再発防止につなげることです。
過去にも類似の投稿があったことを踏まえると、今回の事例についても、過去の報告との関連性を含めて確認できる範囲を明らかにすることが望まれます。ただし、現段階で両者に共通の原因があると判断できる情報はありません。
食品メーカーにとって、品質管理は製品を安全に製造するだけでなく、問題が発生した際に消費者の疑問にどう答えるかという点も含まれます。ロッテには、原因を特定できなかったという結論にとどまらず、調査の内容や再発防止に向けた取り組みを、可能な範囲で分かりやすく説明することが期待されます。
