鳥マラリアとは何か 仙台市の動物園でペンギン4羽死亡 感染例と野鳥への影響

鳥マラリアとは何か 仙台市の動物園でペンギン4羽死亡 感染例と野鳥への影響 ペット・動物
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2026年8月7日、仙台市の八木山動物公園フジサキの杜は、7月に相次いで死亡したフンボルトペンギン4羽の死因について、「鳥マラリア」によるものと考えられると公式サイトで発表しました。

人にはうつらない病気ですが、飼育されている鳥にとっては命に関わる感染症です。今回は、この「鳥マラリア」がどのような病気なのか、混同されやすい「鳥インフルエンザ」との違いや、日本国内での発生状況、野鳥への影響を含めてまとめます。

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八木山動物公園で何が起きたのか

同園では2026年7月9日に「あらまさ」(オス)、10日に「ひめ」(メス)、18日に「いずみ」(オス)、19日に「かすみ」(メス)と、フンボルトペンギン4羽が短期間のうちに次々と死亡しました。

いずれも死亡前日まで食欲不振や元気消失などの異常は見られず、通常どおりの様子だったといいます。園は外部の研究機関に血液や臓器の検査を依頼し、複数の個体から鳥マラリア原虫の遺伝子が確認されたことなどから、死因を鳥マラリアと判断しました。

鳥マラリアとはどのような病気か

鳥マラリアは、Plasmodium属などの原虫が引き起こす感染症で、蚊を介して鳥から鳥へと広がります。ヒトのマラリアとは原因となる原虫の種類が異なり、人に感染することはありません。

感染すると元気消失や食欲低下、貧血といった症状が出ることもありますが、目立った症状がないまま急に体調が悪化し、死亡するケースも少なくないとされています。今回のペンギンも、まさにこのパターンに当てはまったとみられます。

鳥インフルエンザとの違い

名前が似ているため混同されがちですが、鳥マラリアと鳥インフルエンザはまったく別の病気です。

鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスによって起こる感染症で、鳥から鳥へは主に接触や排せつ物を介して広がります。病原性によって「高病原性」「低病原性」に分類され、家きんで発生した場合は家畜伝染病予防法に基づき殺処分などの防疫措置が取られます。ごくまれに人への感染例も海外で報告されています。

一方、鳥マラリアは蚊が媒介する原虫感染症であり、ウイルスによる病気ではありません。人への感染例は確認されておらず、感染拡大の広がり方も鳥インフルエンザとは異なります。両者は「鳥の感染症」という点では共通していますが、原因となる病原体も、感染経路も、人への影響もまったく違うものだと理解しておくとよいでしょう。

日本国内での感染例

鳥マラリアは、実は今回が初めての事例ではありません。八木山動物公園でも1998年11月に感染したシロフクロウが死亡した記録が残っています。

また、国内の他の動物園でも、飼育下のペンギン類やフクロウ類での発生がこれまでに複数報告されており、短期間のうちに数羽が相次いで死亡した例もあります。極地に生息するペンギンやシロフクロウは、日本の風土にいる原虫に対する抵抗力が弱く、感受性が高いとされており、これが飼育下で重症化しやすい一因と考えられています。

野鳥にも感染するのか

鳥マラリアの原虫は、もともと日本国内の野鳥にも広く存在しているとされています。スズメ目をはじめとする野生の鳥は、長い年月をかけてこの原虫と共存してきたため、感染しても症状が出にくい種が多いといわれています。

つまり野鳥にとってはありふれた存在である原虫が、蚊を介して動物園で飼育されるペンギンやフクロウなど、本来その環境にいない鳥に運ばれることで、深刻な症状を引き起こしてしまう構図です。野鳥の間で流行が問題視される鳥インフルエンザとは異なり、鳥マラリアはこうした「持ち込まれた側」の弱さが被害を大きくしている点が特徴といえます。(埼玉県の家畜保健衛生所による症例報告を参考にしています)

今後の対策

八木山動物公園では再発防止のため、展示場に水たまりができないよう地面を整えるほか、除草による風通しの改善、定期的な抗マラリア薬の投与といった対策を進めるとしています。あわせて、暑さによる体力低下を防ぐための送風機の新設も予定しており、展示再開を目指す方針です。

死亡したフンボルトペンギンの調査結果について

まとめ

鳥マラリアは蚊が媒介する原虫感染症で、鳥インフルエンザとは原因も感染経路も異なり、人への感染はありません。一方で、野鳥の間ではありふれた原虫であっても、ペンギンやフクロウのように免疫を持たない鳥にとっては命取りになり得ます。今回の事例は、動物園という限られた環境で命を守るために、蚊の発生を抑える地道な対策がいかに重要かを改めて示すものといえるでしょう。

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