2026年3月に値上げするもの 消費者物価指数1.8%と食品値上げ減少の背景

2026年3月に値上げするもの 消費者物価指数1.8%と食品値上げ減少の背景 時事・ニュース
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2026年2月27日、総務省統計局が発表した東京都区部の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.8%となり、1年4カ月ぶりに政府・日銀が掲げる目標の2%を下回りました。これは昨年以降続いた物価上昇トレンドがいったん落ち着きつつあることを示す重要な数字です。

この数字は東京の物価動向を把握する上で先行指標として注目され、全国の消費者物価にも影響を与えるとされています。電気・ガス料金の国による補助、ガソリン暫定税率の廃止などの政策がエネルギー価格を押し下げた効果が大きく、エネルギー関連のCPIは前年比9.2%の下落に達しました。

また、値動きの激しかったコメ類の価格上昇率も一時より縮小し、前年の倍近くだった水準から18.2%増に落ち着きました。こうした変動要因の調整を伴って、総合指数が抑制された形です。


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3月の食品値上げ――前年比で約7割減少

こうした物価動向の変化を裏付ける形で、主要食品メーカーの価格改定動向にも「一服感」が生まれています。

株式会社帝国データバンクの調査によれば、2026年3月に値上げが予定されている飲食料品の品目数は684品目と、前年同月比で約7割減少(約73%減)しました。これは主要食品メーカー195社の調査に基づくもので、値上げを発表した品目数が大きく減少したことを意味します。

品目別で最も多いのは「加工食品」で304品目、次いで「酒類・飲料」224品目です。

原因として、原材料や包装資材、物流コスト、人件費の増加などがありますが、値上げの勢いそのものは2025年頃まで続いていた「値上げラッシュ」と比べると明らかに鈍化しています。単月で1,000品目を超えるような値上げは、2025年後半以降は観測されておらず、3カ月連続で前年を下回るという結果です。


2026年3月に値上げするもの(食品)

メーカー名商品カテゴリ主な対象商品値上げ幅実施時期
サトウ食品
餅はこちら
パックご飯、餅「サトウのごはん」
「サトウの切り餅」「サトウ
のまる餅」
ごはん:12%
餅:約 16%
3月2日出荷分より
ニッスイ家庭用冷凍食品、家庭用加工食品「大きな大きな焼きおにぎり」「おさかなのソーセージ」「活ちくわ」冷凍食品:約2~34%
加工食品:約3~10%
冷凍食品:3月2日納品分より
加工食品:3月1日納品分より
日清食品冷凍パスタ、ラーメン、焼そば「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」「冷凍 日清まぜ麺亭 台湾まぜそば」「冷凍 日清焼そば スパイシーソース 大盛り1.5倍」「冷凍 日清もちっと生パスタ クリーミーボロネーゼ」約4 ~ 5%3月1日納品分より
味の素冷凍食品米飯類「ザ★チャーハン」「具だくさんエビピラフ」など約 12%
3月2日納品分より
日清製粉ウェルナ乾麺製品
冷凍食品
「伊藤久右衛門 宇治茶そば」など乾麺製品:約20%
冷凍食品:約11%
3月2日納品分より
マルハニチロ家庭用冷凍食品「鶏ごぼうごはん」「ミックスピザ」など約半数の商品約3~22%3月2日納品分より
キッコーマン食品料理用清酒・リキュール、すりおろしシリーズ「マンジョウ国産米こだわり仕込み料理の清酒」、「デルモンテおろしりんご」など料理用清酒・リキュール:約3~15%
すりおろしシリーズ:約10~20%
3月1日納品分より
キューピーあえるパスタソース、サラダクラブ 素材パウチシリーズの一部等「あえるパスタソース たらこ」「サラダクラブ うずら卵水煮(国産)」など約5~17%
3月2日出荷分より
伊藤園緑茶飲料、ティーバッグ茶・顆粒茶、野菜・果実飲料「お〜いお茶」「お〜いお茶 プレミアムティーバッグ 宇治抹茶入り緑茶」3月1日出荷分より
コカコーラ緑茶製品(綾鷹ブランド製品)「綾鷹」「綾鷹 濃い緑茶」「綾鷹 茶葉のあまみ」など6.3~12.1%3月1日出荷分より
ヤクルト清涼飲料「アップルジュース」「珈琲たいむ」「マイルドカフェオレ」など7~15%3月1日
ピジョンベビー関連商品「赤ちゃんのやわらかパックごはんシリーズ」「ソフトふりかけシリーズ」など2~11%3月2日受注分より
キーコーヒー家庭用コーヒー製品「KEY DOORS+ドリップ オン スペシャルブレンド 10杯分」「グランドテイスト コク深いリッチブレンド 粉(FP)」など10~30%3月1日納品分より
ハーゲンダッツミニカップ、クリスピーサンド、バーなど「ミニカップ」「クリスピーサンド」「アソートボックス」約20〜60円3月1日出荷分より
ネスレ日本キットカット「キットカット カカオ 72% 10 枚」「キットカット 鉄分補給 with ミロ 10 枚」約 31%3月2日納品分より

物価上昇ペースの鈍化とその背景

今回の物価統計が示した指数低下と食品値上げの減少は、「物価上昇が一服しつつある」という見方を支持します。その背景にはいくつかの要因があります。

エネルギー価格の抑制

政府が実施している電気・ガス料金への補助やガソリン税の暫定税率引き下げが効き、特に家庭の光熱費や燃料費の上昇圧力を大きく低減させました。これがCPIの低下に寄与した構造的要因です。

食料品価格の上昇圧力の緩和

コメや加工食品など、多くの品目で値上げの勢いは落ち着いています。これには、原材料価格の世界的な高騰が一段落したことや企業が値上げに慎重になっている動きが影響している可能性があります。


ただし「安心できる状況」ではない

一方で、物価上昇が一服しているからといって安心できない面もあります。

円安リスクの再燃

帝国データバンクは、年後半にかけて円安が再び進む可能性を指摘し、輸入原材料の価格上昇を通じて再び物価を押し上げるリスクを警戒しています。円安は輸入品価格を直接上昇させるため、食品価格やエネルギー価格の上昇圧力につながる可能性があるのです。

賃金上昇が追いつかない

物価が上昇して家計の負担が増える中で、賃金や収入の伸びが追いつかない点も大きな課題です。実質賃金が伸び悩む状況では、家計の購買力は低下し、消費が萎縮するリスクが高まります。消費者物価が落ち着いても、生活実感としての負担感が強いままである可能性が指摘されています。


2026年春の物価は「落ち着きの兆し」

  • 2月の東京都区部CPIは前年比1.8%と、1年4カ月ぶりに2%未満へ下降。物価上昇がやや落ち着く傾向に。
  • 3月の食品値上げ品目数は前年比で約7割減と、値上げの勢いに一服感。
  • ただし、円安の長期化リスク賃金の伸び悩みなど、生活実感としての不安は依然として残る。

国内景気への影響は多面的であり、単純に「物価が止まった」と結論づけるのは早計です。政府・中央銀行・企業・家計という4者が、それぞれの立場で今後の動きを注視し、適切な対応を図ることが求められます。

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