2025年9月に閉園した「ノースサファリサッポロ」(札幌市南区)の後継施設となる動物園が、2027年春にも札幌近郊で開設される見通しであることがわかりました。関係者によると、新会社「北海道アニマルワールド」が中心となり、旧園に残る動物と従業員をそのまま引き継ぐ意向だということです。ここでは、ノースサファリサッポロとはどのような施設だったのか、そして閉園から後継施設開設までの流れを時系列でまとめます。
ノースサファリサッポロとは?「日本一危険な動物園」と呼ばれた20年
ノースサファリサッポロは、2005年7月に札幌市南区で開園した動物園兼レジャー施設です。運営していたのは有限会社サクセス観光で、園内は「ノースサファリサッポロ」「デンジャラスの森(旧・フクロウとキタキツネの森)」「ノースサファリアドベンチャー」の3施設で構成されていました。
最大の特徴は、動物との距離の近さを前面に打ち出した展示スタイルです。ライオンへの餌やり体験や、ヘビ・ワニといった猛獣に直接触れられる企画、ゾウガメの背に乗る体験など、他の動物園ではあまり見られない「ふれあい」を売りにしていました。
入園時には事故やケガについて自己責任である旨の免責事項が示されており、そのスリルの高さから「日本一危険な動物園」という異名で親しまれ、開園から20年間で延べ200万人以上が来園する人気施設となりました。
閉園の経緯 ― 無許可の違法建築と除却命令
一方で、ノースサファリサッポロは開業前の2004年から、獣舎などの建物を市街化調整区域内に無許可で建設していたことが問題視されていました。市街化調整区域は、都市計画法に基づき無秩序な開発を防ぐために指定される区域で、原則として建物の新築は認められていません。
札幌市はこの違法建築について繰り返し行政指導を行ってきましたが、改善は進みませんでした。最終的に市は都市計画法に基づく除却命令を出し、獣舎など違法建築物37棟について10月末までの撤去を求めるに至りました。
これを受けて運営会社は2025年3月、法令上の問題を重く受け止め閉園を決定したことを発表し、同年9月30日に営業を終了しています。閉園にあたっては、当時の代表取締役が辞任し、後任には園長職にあった人物が就任して、動物の移動や施設撤去の対応にあたる体制がとられました。閉園後も、動物の受け入れ先の確保や補助金の扱いなど、複数の課題が残されました。
後継施設「北海道アニマルワールド」設立の背景
閉園後、園内には多くの動物が残されたままとなり、その受け入れ先の確保が大きな課題となっていました。こうした中で名乗りを上げたのが、東京の投資会社ビーチキャピタルです。同社の赤沢芳樹社長は、ノースサファリサッポロに残る動物を引き取り、新たな動物園を開園する構想を早くから示していました。
そして2026年1月、受け皿となる新会社「北海道アニマルワールド」が設立されます。当初の所在地は東京でしたが、動物や従業員の引き継ぎ手続きを円滑に進めるため、2026年6月には札幌市南区へと拠点を移転しました。新会社は、旧園に残る動物および飼育・管理にあたる従業員を引き継ぎ、新たな動物園の運営を担う方針を明らかにしています。
2027年春開設へ ― 候補地3か所と引き継ぎの中身
そして今回、北海道アニマルワールドの赤沢社長は、後継施設となる新しい動物園を2027年春にも札幌近郊で開設する考えを示しました。候補地はすでに3か所程度まで絞り込まれており、現在も条件面などについて協議が続けられているということです。
引き継ぎの規模も具体的になってきています。ノースサファリサッポロに残る動物は200頭以上にのぼり、これらの動物はそのまま新施設へ引き継がれる見通しです。また、動物の飼育や管理にあたってきた従業員についても、最大でおよそ20人を新会社が受け入れる意向が示されています。長年動物たちの世話を担ってきたスタッフが引き続き携わることは、動物にとっても環境の変化による負担を抑えられる点で意味のある方針といえそうです。
まとめ ― 今後注目したいポイント
ノースサファリサッポロは、動物との距離の近さで人気を集めた一方、無許可の違法建築という法令違反が最終的に閉園という結果を招きました。その後継となる「北海道アニマルワールド」による新施設は、2027年春の開設を目指し、候補地の選定や動物・従業員の引き継ぎ準備が進められている段階です。
除却命令による違法建築物の撤去期限も迫るなか、候補地の正式決定や新施設の詳細な運営計画がいつ明らかになるのか、今後の発表が注目されます。動物たちの安全な移動と新たな飼育環境の整備が着実に進むことを、引き続き見守っていきたいところです。

