JR東日本は2025年11月27日、「JR東日本お問い合わせセンター」に勤務するオペレーターが、業務中に取得した利用客の電話番号を元に、電話番号検索サイトの口コミ欄へ誹謗中傷投稿を繰り返していたと公表しました。投稿件数は2024年3月〜2025年8月の約1年半で245件の番号に対し計290件。内容は具体的には明らかにされていませんが、利用客を侮辱したり、不当に評価を下げる内容が含まれていたといいます。
企業の問い合わせ窓口で得た個人情報を用いた不正利用は、信頼を根底から揺るがす重大な行為です。本記事では、
①電話番号検索サイトとは何か
②なぜ投稿が発覚したのか
③JR東は何を問題視しているのか
④SNSの反応
⑤企業の課題とまとめ
という流れで、今回の事件をわかりやすく整理します。

電話番号検索サイトとは?
今回問題となったのは、「電話番号検索サイト」と呼ばれるサービスです。
ユーザーが番号を入力すると、
- その番号がどんな用途で使われているか
- 営業電話か
- 迷惑電話か
- 個人か会社か
- 口コミ・評価
などを閲覧できる仕組みで、多くはユーザー投稿型で運営されています。
近年は、通販会社、宅配業者、コールセンターなどの番号に対して「どこからの電話か」「対応の態度」などが書き込まれることが一般化し、企業側も一定の影響を受けています。
問題のオペレーターは、問い合わせ客がかけてきた「発信元番号」を検索サイトに入力し、個人を特定しうる形で、利用者を批判する内容を複数投稿していたとされています。
つまり、業務で知り得た個人情報を、私的な目的で勝手に利用し、第三者の目に触れる場所で発信した行為であり、個人情報保護の観点からも極めて悪質と言わざるを得ません。
なぜ発覚したのか?
JR東日本は詳細を公表していないものの、一般的に今回のようなケースが発覚する経緯には以下の可能性が考えられます。
① 本人や第三者からの通報
問い合わせ客の番号で検索サイトを見ると、「心当たりのない誹謗コメント」が書かれている──そのような不審な投稿が続けば、本人や第三者が企業に通報することがあります。
投稿内容が「問い合わせの内容に関連する」「内部事情を示唆する」など、外部の人間では知りえない記述があれば、企業内部に疑いが向くのは自然です。
② 電話番号検索サイト側の指摘
検索サイトは悪用を防ぐために、不自然なアクセスや同一端末からの投稿を検知する仕組みを持つところもあります。
投稿の内容や投稿元 IP、アクセスの偏りから、システム側が異常を検知し、企業に連絡する場合もあります。
③ 社内調査で発覚
外部からの問い合わせを受けた企業が調査を行い、
- 業務端末から問題サイトへアクセスがあった
- 特定の端末・特定の従業員で投稿が集中していた
というログを確認し、本人が行為を認めた可能性も考えられます。
JR東は「他に同様の事案は見つかっていない」としていますが、逆に言えば、内部調査を行い、特定のオペレーターによる連続的な投稿であると判明したということです。
JR東日本が問題視している点
JR東は今回の事案について、
- お客様からの信頼を損なう行為
- 個人情報保護の観点から看過できない
- 委託先も含めた管理体制の見直しを行う
と説明しています。
特に重要なのは、オペレーターが業務委託先の従業員だった点です。
委託先のスタッフであっても、JR東の看板を背負って応対し、顧客情報を扱う以上、管理・監督義務はJR東側にも発生します。
企業としては、
- 業務端末からの外部サイトアクセス制限
- ログ管理の強化
- 個人情報取り扱い研修の徹底
- 委託先への監督強化
などを行う必要があり、今後の改善策が注目されています。
SNSの反応:驚きと不安、そして「なぜ長期間気づけなかったのか」
SNSでは大きく3つの反応が広がっています。
① 企業への不信
- 「業務端末から個人の誹謗中傷?怖すぎる」
- 「問い合わせしただけで、番号を晒される可能性があるのか」
- 「1年以上気づかなかったのが問題では?」
企業の情報管理体制そのものに疑問の声が集まりました。
② 電話番号検索サイトの影響力への驚き
「こんな形で悪用されるとは思わなかった」という反応も多く、
“便利だから使っていたが、危険もある”
という認識が広がっています。
③ 一部に見られた「オペレーターへの同情」
ただしこれは主流ではなく、「ストレスがあっても不正は許されない」という意見が圧倒的多数です。
まとめ:企業の管理体制と現場の負担──両方を見直す必要
今回のJR東の事案は、
個人情報の不適切利用という重大な問題であり、どんな理由があっても正当化はできません。
ただし同時に、この事件は企業側に次の課題を突き付けています。
- 外部委託を含めた管理監督の限界
- 業務端末のアクセス管理・ログ管理の見直し
- 情報取り扱い教育の再構築
- 現場の負荷と不正を未然に防ぐ体制づくり
特に問い合わせ窓口は、クレーム対応や複雑な案内が集中する部署であり、企業にとっても、従業員にとっても負荷が大きい現場です。
そして今回のような事件は、個人の過ちであると同時に、「組織の目がどこまで現場を守れていたか」という問題を浮き彫りにしています。
今後、JR東日本や他社がどのように再発防止策を講じ、信頼回復に努めるかが問われています。

