「無許可の天気予報」に規制強化へ 気象業務法改正案が閣議決定

「無許可の天気予報」に規制強化へ 気象業務法改正案が閣議決定 時事・ニュース
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政府は11月11日、「無許可の天気予報」を行う事業者に対する規制を強化するため、気象業務法の改正案を閣議決定しました。
この背景には、海外企業が気象庁の許可を得ずに日本の天気予報を配信し、誤った情報を発信していたという問題があります。

一部のスマートフォンアプリでは、「波浪注意報」を「波浪警報」と誤って表示したり、実際の気温と5℃以上も異なるデータを伝えたりしていたことが確認されました。
こうした誤報が発生すると、防災行動や日常生活に支障をきたすおそれがあるため、政府は制度の見直しに踏み切った形です。


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無許可の天気予報とは? 気象業務法が定めるルール

「天気予報」や「警報」を発信するには、気象庁の許可が必要です。
これは、予報の根拠となる観測データや解析方法が科学的に正確であるか、また災害時に混乱を招かない体制が整っているかを確認するためのものです。

しかし近年、海外企業や個人がネット上で予報を配信するケースが増加しています。
アプリやSNSを通じて日本向けの天気情報を提供していても、正式な「予報業務許可」を得ていない場合が多く、情報の信頼性に疑問が持たれていました。

このような「無許可の天気予報」は、

  • 誤った警報表示による混乱
  • 気温・降水量などの誤差による生活・防災への影響
  • 情報の責任所在が不明確になる問題
    を引き起こす可能性があります。
“無許可の天気予報”の規制強化へ 「気象業務法」改正案を閣議決定(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
気象庁の許可を得ていない複数の海外企業が精度の低い天気予報などを発信していたことを受け、政府は規制を強化することを定めた法律の改正案を閣議決定しました。 複数の海外企業は日本の天気を伝えるスマー

気象業務法改正案のポイント 規制強化と透明性向上へ

今回の気象業務法改正案では、特に「無許可で予報業務を行う企業や個人」への対応を強化しています。
改正案の主なポイントを整理すると、次の通りです。

1. 無許可予報業務の「企業名公表」を明記

無許可で予報業務を行った場合、企業名や団体名を公表できる仕組みが導入されます。
これにより、利用者が信頼できるサービスを選びやすくし、悪質な事業者を抑止する狙いがあります。

2. 国内代表者の指定を義務化

海外企業が日本向けに天気予報を発信する場合、国内で定期的に連絡を取れる代表者を指定することが義務付けられます。
代表者が不在、または連絡が取れない場合には、気象庁が許可を取り消せる制度も新設されます。
これにより、国外事業者に対しても実効的な監督が可能になります。

3. 洪水や高潮など災害予報制度の高度化

気象庁や国土交通省が連携し、洪水や高潮の特別警報制度を新設。
「波の打ち上げ」など、これまで予報が難しかった現象も対象に含め、地域ごとの危険度をより詳細に発信できるようになります。
これも、防災情報の質を高めるための重要な制度改正です。


なぜ海外企業が「無許可の天気予報」を発信していたのか

スマートフォンアプリやウェブサービスの普及により、気象データを世界中から簡単に取得・発信できるようになりました。
その結果、海外の気象会社が日本国内の天気情報を配信するケースが急増しています。

こうした海外企業の中には、

  • 自社の観測モデルを使って予報を生成している
  • AIや独自のアルゴリズムを活用している
    といった特徴を持つところもあります。

しかし、気象庁が提供する公式データを使用せず、独自の推定値に基づいた予報をそのまま配信している場合もありました。
そのため、警報や気温に誤差が生じ、ユーザーが誤った行動を取るリスクが指摘されていたのです。


気象庁が狙う「予報の信頼性向上」と「情報の一元化」

今回の改正法案は、単に罰則を強化するだけでなく、予報の信頼性を守るための仕組みづくりを目的としています。
気象庁が目指すのは、次の2つです。

  1. 国民が正確で統一された気象情報を受け取れる環境の整備
    → 無許可の情報源による混乱を防ぐ。
  2. 災害時に迅速な判断を下せる情報体系の確立
    → 洪水・高潮・暴風などに関する警報の精度と伝達スピードを高める。

つまり、信頼できる情報を「誰が」「どのように」発信しているのかを明確にすることで、誤報や混乱を防ぐ狙いがあります。


一般利用者に求められる意識の変化

天気予報アプリは私たちの生活に欠かせないツールとなっています。
単に「使いやすいアプリ」かどうかではなく、「気象庁の許可を得た信頼できる情報源かどうか」が重要になります。

もし、アプリ内で「警報」と「注意報」の区別が曖昧だったり、気温が極端に違って表示されていた場合、そのサービスが無許可予報業務を行っている可能性があります。
今後は、利用するアプリが正式に許可を受けたものであるかを確認することが、自分や家族の安全を守る第一歩となるでしょう。


事業者・アプリ運営者が対応すべきポイント

海外企業だけでなく、日本国内で天気予報サービスを展開する事業者にも影響があります。
改正法案により、次のような対応が求められます。

  • 気象庁の予報業務許可を取得しているかの確認
  • 国内代表者の設置・連絡体制の整備
  • 誤表示や誤警報を防ぐためのチェック体制の強化
  • 利用者からの問い合わせに応じるための説明責任の徹底

信頼できる情報提供を行うためには、透明性と法令遵守が不可欠です。
逆に、無許可のまま予報を配信している企業は、氏名公表によって社会的信用を失うリスクも高まります。


今後の見通しと課題

気象業務法改正案は、今後の国会審議を経て成立・施行される見込みです。
施行後は、海外事業者を含むすべての予報提供者が、法の対象となります。

ただし、制度が強化される一方で、

  • 新しい許可申請の手続きが煩雑になる可能性
  • 小規模なアプリ開発者にとって負担が大きい
    といった課題も残ります。

それでも、正確で信頼性の高い気象情報を提供するためには、一定のルールと監督が必要です。
今回の改正は、「気象情報の質」を守るための第一歩として評価できます。


まとめ:正確な天気予報を届けるために

「無許可の天気予報」は、便利さの裏で信頼性という大きなリスクを抱えていました。
今回の気象業務法改正案は、そうした不確実な情報から国民を守り、正確で安心できる予報体制を整えることを目的としています。

私たち利用者にできることは、

  • 信頼できる天気予報アプリを選ぶこと
  • 公式な気象庁発表を確認する習慣を持つこと
  • 情報の出所を意識して利用すること

これからの時代、「どの情報を信じるか」が命を守る判断につながります。
気象庁の許可を受けた信頼ある情報をもとに、安心して日々を過ごせる社会を築くことが大切です。

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