イランのデモはなぜ日本で報じられないのか SNSで語られる偏向報道論

イランのデモはなぜ日本で報じられないのか SNSで語られる偏向報道論 時事・ニュース
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イランで激化する大規模な反政府デモは、2025年末に始まり、2026年1月現在も収束の兆しを見せていません。人権団体や海外メディアの報道によれば、死傷者はすでに数千人規模に達し、一部では1万人を超える可能性も指摘されています。

にもかかわらず、日本の地上波テレビや大手新聞、いわゆるオールドメディアでは、この問題が大きく扱われていないと感じる人が多いようです。
なぜ、これほど深刻な国際問題が「報道されない」と受け止められているのか。SNSで広がる憶測、アメリカ・トランプ政権の強硬姿勢、そして日本への現実的な影響までを整理します。

イラン反体制抗議、これまでに2400人死亡と人権団体 イランが抗議者処刑すれば「強力な措置」とトランプ氏 - BBCニュース
イランでの抗議活動に対する治安部隊の暴力的な弾圧で、これまでに2400人以上が死亡したと、人権団体が13日に報告した。こうしたなかトランプ米大統領は、イラン当局が抗議参加者を処刑した場合、アメリカは「非常に強力な措置」を取ると述べた。

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イランのデモはなぜ報じられないのか SNSで広がる憶測

日本のメディアがイラン情勢に慎重であることについて、SNS上では単なる編集判断を超えた「意図」があるのではないかという声が多く見られます。主な憶測は次の4つです。

エネルギーへの「忖度」

日本は原油の多くを中東地域に依存しています。そのため、「イラン政府を過度に批判すれば、原油供給やホルムズ海峡の安全に悪影響が出ることを恐れているのではないか」という見方が広がっています。

エネルギー安全保障への不安が、政府だけでなくメディアの姿勢にも影響しているのではないか、という疑念です。

国内政権への波及を避けているという説

イランの抗議デモは、急激な物価高と政治不信が引き金になっています。
これを日本の現状と重ね合わせ、「日本国内でも物価高への不満が強まる中、他国で政権を揺るがす抗議運動を詳しく報じると、国内世論を刺激してしまうのではないか」と考える人もいます。やや陰謀論的ではあるものの、社会不安の高まりを背景に支持を集めやすい見方です。

欧米中心の偏向報道ではないかという指摘

ウクライナ戦争など、欧米が関与する国際問題が連日大きく報じられる一方で、中東の民主化運動や人権問題は後回しにされがちだ、という批判もあります。

このため、「報道にダブルスタンダードがあるのではないか」という不信感がSNSで繰り返し指摘されています。

実際にはイランによる「情報封鎖」が最大の壁

最も現実的な理由として挙げられるのが、イラン政府による徹底した情報封鎖です。

「報道されていない」わけではありませんが、情報の流入が極端に制限されているため、ニュースの量や質が限られているというのが実情です。

イラン政府による徹底した情報封鎖

イラン当局は抗議デモの拡大を防ぐ目的で、インターネットをほぼ全面的に遮断しています。これにより、現地からの情報発信そのものが著しく困難な状況となっています。

X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSが使えなくなり、デモの様子を撮影した動画や市民の証言が国外に出にくくなっています。また、通信そのものが検閲・制限されているため、海外メディアが現地と直接連絡を取ることも容易ではありません。真偽の確認ができない情報をそのまま流すことは、日本の大手メディアにとって大きなリスクとなるため、裏付けが取れない段階では慎重にならざるを得ないのが現実です。

取材環境の厳しさとジャーナリストへの圧力

さらに、イラン国内では外国人記者の活動が厳しく制限されており、多くの海外メディアがビザや取材許可を得られず、現地入りできていません。仮に取材が許可された場合でも、ジャーナリストが逮捕・拘束されるケースが相次いでおり、報道活動そのものが命がけの状況に置かれています。

このように、日本のメディアがイランの抗議デモを大々的に報じられない背景には、政治的な意図以前に、情報封鎖と取材制約という現実的な壁が存在しています。「報じない」のではなく、「報じたくても報じられない」という側面が大きいことは、理解しておく必要があるでしょう。


イラン抗議デモ参加者への支持

2025年に再登板したトランプ大統領は、バイデン前政権とは一線を画す、極めて強硬な姿勢を取っています。

トランプ氏はSNSで「Help is on its way(助けは向かっている)」と投稿し、抗議デモ参加者への支持を明確に表明しました。さらに、治安部隊による殺害が続く場合には、テヘランの軍事拠点への空爆を含む軍事行動も排除しない考えを示しています。

加えて、イーロン・マスク氏と連携し、衛星通信サービス「スターリンク(Starlink)」を通じて、イラン国内のインターネット遮断を突破する構想も取り沙汰されています。
アメリカにとって、イラン現体制の弱体化や体制転換は、中東戦略上の大きな転機となり得るのです。


日本への影響 ガソリン代と経済制裁という現実

この問題は、決して日本にとって「遠い国の出来事」ではありません。

原油価格の上昇と物価高リスク

アメリカの軍事的圧力とイランの反発が強まれば、原油市場は再び不安定化します。
特にホルムズ海峡の緊張が高まれば、ガソリン代や電気代の上昇は避けられません。

2026年の日本経済にとって、これは家計を直撃する重大なリスクです。

「25%関税」が突きつける厳しい選択

トランプ大統領は、イランと取引を続ける国に対し、アメリカ向け輸出品に25%の追加関税を課すと表明しています。

これは日本企業にとって、「アメリカ市場を取るか、イランとの関係を維持するか」という究極の選択を迫るものです。自動車や部品産業への影響は極めて深刻になりかねません。


高市政権が直面する外交の転換点

2026年1月、高市早苗首相はSNSで「情勢の悪化を深く懸念している」と表明し、抗議デモへの武力行使に反対する姿勢を示しました。

日本はこれまで、イランと独自のパイプを持つ「中立的な立場」を保ってきましたが、アメリカの強硬路線を前に、対イラン批判へと舵を切らざるを得ない状況に追い込まれています。

これは、日本の中東外交やエネルギー安全保障にとって、大きな転換点となる可能性があります。


「報じられない」情報の空白をどう埋めるか

イランの大規模デモが日本で大きく報じられない背景には、情報遮断という物理的制約と、複雑な外交・経済上の事情があります。

しかし、現地で起きている出来事は、日本の物価、エネルギー、安全保障に直結しています。
BBCやCNNなどの海外メディア、信頼性を見極めながらSNS情報を補完的に活用することが、今後ますます重要になるでしょう。

「報道されない」こと自体が、イラン情勢が世界を揺るがしかねない危険な局面にあることを示しているのです。

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