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米軍人のピットブルが脱走 小型犬を襲う 飼育ルールと再発防止策とは

米軍人のピットブルが脱走 小型犬を襲う 飼育ルールと再発防止策とは ペット・動物
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2025年5月30日夜、沖縄県金武町の民家で痛ましい事件が起きました。庭にいた70代男性の飼い犬が、徘徊していた大型犬「ピットブル」に襲われ、命を落としました

ピットブルはアメリカ原産の犬種で、正式名称はアメリカン・ピットブル・テリア。元々は闘犬として改良され、非常に筋肉質で顎の力も強く、一度興奮すると制御が難しい特性があります。性格は本来忠誠心が強く、飼い主には従順ですが、他人や動物に対して攻撃的になることもあるため、飼育には十分な注意が必要です。

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ピットブルが小型犬を襲った事件の経緯

2025年5月30日午後11時半頃、沖縄県内の民家で、近所の住民から「大型犬に飼い犬が噛まれている」との通報が警察に寄せられました。現場に駆けつけた警察官が確認したところ、体長約1mのオスのピットブルが民家の庭に侵入し、飼い犬の首元を噛んでいました。飼い犬は致命傷を負い、その場で死亡が確認されましたが、飼い主の男性に怪我はありませんでした。

警察はピットブルを確保し、その飼い主の特定を進めました。6月2日、沖縄県石川警察署に一人の米軍人が訪れ、自身がこのピットブルの飼い主であると名乗り出ました。警察の調べにより、ピットブルは飼い主に捨てられたのではなく、飼育中に脱走していたことが判明しました。このため、警察はピットブルを米軍人の飼い主へ引き渡しました。

警察は、飼い主の米軍人が米軍基地内に居住しているのか、あるいは基地外の県民生活圏に居住しているのかについては明らかにしていません。また、ピットブルがどのように飼育され、いかにして脱走に至ったかについては「引き続き調査する」としており、現時点では詳細な情報は公表されていません。

県内では4月に、米軍関係者が飼育する大型犬が散歩中の小型犬に噛みつき死亡させる事故が発生していました。大型犬は軍関係者宅から飛び出し、女性がリードを付けて散歩させていた小型犬に飛びかかりました。

沖縄署や市ではこの件で、飼い犬の管理徹底を呼びかけていました。

ピットブルが飼い犬かみ殺す 金武町で徘徊、民家の庭に侵入か 警察が捕獲 沖縄県 (琉球新報) - Yahoo!ニュース
30日午後11時35分ごろ、沖縄県金武町金武の民家の庭で、徘徊していた闘犬種のアメリカン・ピットブルテリア(ピットブル)がこの家で飼われていた犬の首元に噛みついて殺す咬傷事故があった。ピットブルは

在日アメリカ軍人による問題と地域社会への影響

今回の事件の飼い主が在日アメリカ軍人であったことは、犬の問題にとどまらず、地域住民の安全や行政の対応に関わる重要な課題です。

沖縄県には在日アメリカ軍基地が集中しており、多くの米軍人やその家族が地域社会の中で生活しています。過去には、騒音、交通事故、性犯罪、飲酒トラブルなど、米軍関係者による問題行動が繰り返され、住民との摩擦や不信感の原因となってきました。

特に今回のような動物管理の不備がきっかけで命が奪われる事件が起きたことは、住民の安全を脅かす深刻な問題です。基地外に住む軍人に対して、日本の法律や条例の順守をどのように徹底させるのか、今後の課題として改めて問われています。

沖縄市では「飼い犬等の飼養管理に関する条例」で犬の管理を義務付けていますが、こうした地域条例が在日米軍関係者にも適用されるかどうか、また実効性があるのかも見直しの対象となるでしょう。

アメリカンピットブルテリア
イメージ画像

ピットブルによる過去の咬傷事故

ピットブルが関与する事故は過去にも国内外でたびたび発生しています。以下は主な例です。

  • 1995年、沖縄県:ピットブル2頭が女児を襲い、1人が死亡、もう1人が重傷。飼い主は禁錮刑に。
  • 2020年、千葉県銚子市:逃げ出したピットブルが女性にけがを負わせ、トイプードルを噛み殺す。
  • 2017年、静岡県:SAでチワワがピットブル4頭に襲われ死亡。
  • 2022年、米国:ピットブルが子ども2人を噛み殺す。飼い主は8年間一緒に暮らしていた家族だった。

海外では飼育が禁止されているピットブル

ピットブルはその危険性から、多くの国や地域で飼育規制や禁止措置が取られています

  • イギリス:1991年に「危険犬種法」が施行され、ピットブルの飼育は原則禁止。
  • アメリカ:州ごとに異なるが、多くの都市で制限または禁止。
  • スイス:州によっては禁止または厳しい管理義務あり。

一方、日本ではピットブルの飼育は禁止されておらず、国レベルの規制もありません。ただし、茨城県など一部の自治体では「特定犬」としてピットブルを指定し、頑丈な囲いの設置や散歩時の管理義務を条例で定めています

ピットブルだけじゃない:犬による咬傷事故は年間5,000件以上

環境省の統計によると、日本国内では年間約5,000件もの犬による咬傷事故が報告されています。これは1日あたり約13件に相当し、実際には報告されていない事例も含めると、さらに多くの事故が起きている可能性があります。事故の多くは、飼い主の不注意や管理不足が原因とされています。

咬傷事故は決して特定の犬種だけに限られた問題ではありません。実際に、日本犬による痛ましい事例も複数報告されています。

2024年2月には四国犬による咬傷事故が群馬県伊勢崎市で発生。2歳の雄の四国犬が公園内で子どもから大人まで12人を次々に襲い、負傷させたと報じられています。小型犬に対しても攻撃を加えたとされ、その凶暴性に注目が集まりました。

これらの事例からも分かるように、「ピットブル」など海外の危険犬種だけでなく、日本犬であっても適切な管理やしつけを怠れば重大な事故につながることがあります。大型犬や闘犬種を飼育する際には、犬種にかかわらず、飼い主の責任と安全管理が問われるのです。

群馬で犬が12人にかみつく 人を襲った犬はどうなる? 凶暴な犬に遭遇したときの対策(石井万寿美) - エキスパート - Yahoo!ニュース
7日夕方、群馬県伊勢崎市の公園で、学童保育の小学生から大人まで合わせて12人が次々と、犬にかまれました。かんだ犬は体長約130センチの「四国犬」で、すでに確保され、動物愛護センターに保護され、飼い犬だ

飼い主の責任と今後の課題

大型犬や特性の強い犬種を飼育する場合、最大限の配慮と責任が求められます。散歩時のリード管理や脱走防止策、他人や動物に対するしつけなど、万全の対策が不可欠です。

沖縄市などでは「飼い犬等の飼養管理に関する条例」で、飼い主に対し犬の性質に応じた適切な管理を義務付けています。今回の事件を受け、沖縄県全体でこうした条例の見直しや運用強化が求められるかもしれません。

まとめ:ピットブルの飼育には特別な責任を

ピットブルは忠実で賢い犬ですが、その一方で攻撃性も併せ持ちます。適切な環境とトレーニングがなければ、他人や動物に重大な危害を加える恐れがあります

日本ではまだピットブルの飼育に対する法的制限が緩やかですが、今後は自治体ごとの条例強化や、国全体での法整備が検討されるべき時期に来ているのかもしれません。

この記事は、決して特定の犬種や飼い主を非難するものではなく、あくまで「命を守るための飼育管理の大切さ」を共有する目的で書かれています。愛犬家の皆さま、大型犬や闘犬種を飼育されている方におかれましても、それぞれの犬の特性を理解し、社会的責任を意識した行動が引き続き求められます。

「ピットブルを飼う」ということは、一般の犬以上に重い責任を伴う選択です。犬にも飼い主にも周囲の人にも幸せな環境を築くために、飼育のあり方を今一度見直してみることが、今後の悲しい事故を防ぐ第一歩となるでしょう。

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