帝国データバンクが11月28日に発表した「食品主要195社の価格改定動向調査」によれば、2025年12月に「家庭向け飲食料品」の値上げ予定が217品目にのぼる見通しであることがわかりました。
この「217品目」は、2025年11月の143品目から増加したものの、今年1年間を通じた値上げの流れをみると、“小康状態”と評価できます。11月に続き単月で1,000品目を超えず、2025年内では2番目に少ない水準となったからです。
12月の値上げ傾向
値上げ対象の中心は、調味料、チョコレート菓子、大豆加工品など、日常的に消費される食品です。特に調味料は原材料の高騰に加え、包装資材の価格上昇が大きく影響しています。大豆やカカオなど国際相場が不安定な品目も、値上げを後押しする要因となりました。
一方で、11〜12月の動きを見ると、食品の値上げラッシュは徐々に落ち着きつつあります。2026年に向けては値上げペースが緩やかになるとの見方も出ています。帝国データバンクのリポートによれば、値上げの主因は「原材料高」で99.7%を占めており、前年と比較すると資材・包装・物流・人件費といったコスト上昇の影響はやや薄れつつあるとされています。
ただし、食品以外では医薬品やヘルスケア製品の値上げが発表されており、大正製薬が一部製品の価格改定を行っています。医薬品は生活に欠かせない商品であり、食品が落ち着きを見せる一方で、家計への影響は完全には収まっていません。食品と医薬品の双方に注意しながら、計画的な購入や家計管理が引き続き重要です。
2025年12月に値上げするもの
| メーカー名 | 商品カテゴリ | 主な対象商品 | 値上げ幅 | 実施時期 |
|---|---|---|---|---|
| マルカワみそ | みそ | マルカワみそ オリジナル商品 | 12月1日注文分より | |
| 大正製薬 | 医薬品 | リポビタンシリーズ、パブロンシリーズ、ナロンシリーズ、他 | 10~34% | 12月1日出荷分より |
食品の値上げが「4月」と「10月」に集中する理由
食品の値上げが「4月」と「10月」に集中するのは、企業側の年度サイクルと流通の商習慣が大きく関係しています。
多くの企業は4月が新年度の開始で、原材料の契約更新、物流費や人件費の見直しが一斉に行われます。これに合わせてメーカーは価格改定を実施しやすく、小売店側も棚替えやシステム更新のタイミングと重なるため、4月に値上げが集中します。
さらに10月は下半期のスタートで、前半6か月間のコスト変動を反映した再値上げが行われる時期です。原材料や輸入品の多くが半年ごとの契約更新であることも、4月・10月の値上げを後押しします。
加えて春と秋は新生活や季節の変わり目で需要が動きやすく、価格を変更しても受け入れられやすい点も理由となり、結果として食品業界ではこの2つの時期に値上げが集中する傾向が続いています。

まとめ:「値上げは一時収束の気配だが、家計の“忍耐力”が試される時期」
2025年は、食品の値上げ品目で累計2万品目を超える大きな“価格転換期”となりました。12月は217品目で、値上げラッシュのなかでは小康状態とも言えます。2026年春までは “大きな波” は見込まれていませんが、包装資材や物流、円安・原油高の影響次第では再び値上げの余地が残されています。
消費者としては、「節約=切り詰め」ではなく、「賢く選ぶ」「無駄を減らす」「買い物習慣を見直す」ことで、この “価格転換” を乗り切る必要があります。具体的には、必要以上のまとめ買いを避け、小さいサイズを買い切る、代替品や廉価品を有効活用する、在庫管理を徹底する、そしてエネルギーコストの節約にも目を向ける――そんな“日々の意識”が、これからの“物価高”の波を抑える大きな助けになるでしょう。
家計を守るには、「ほんの少しの工夫」と「持続する習慣」がカギです。
