帝国データバンクによる「食品主要195社」価格改定動向調査によれば、2025年9月には合計1,422品目の値上げが予定されています。これにより、9カ月連続で前年同月を上回る品目数となり、統計開始以来最長の連続記録を更新したことになります。
平均値上げ率は約14%。8月時点(1,010品目、平均約11%)からさらに水準が上がり、価格改定の勢いが加速していることがうかがえます。
2025年9月の食品値上げトレンド
9月の特徴は、調味料の値上げラッシュと、菓子・乳製品・アイス類の負担増です。
特にマヨネーズ、ドレッシング、しょうゆ関連など日常的に使用する調味料が多数対象となり、食卓への影響は避けられません。
また、チョコやビスケットなどのお菓子、乳製品やアイスといった嗜好品も値上げされるため、必需品と楽しみの両方で価格改定の波が押し寄せています。
さらに、明治のチーズやブルボンのお菓子などでは、容量を減らす「ステルス値上げ」も行われており、価格据え置き型の実質値上げと本体価格改定が同時に進むのが特徴です。
食品分野別
- 調味料:最多の427品目(たれ・ソース・マヨ・ドレッシングなど)
- 加工食品:338品目(冷凍食品・水産練り製品など)
- 菓子:291品目(チョコレート・ポテチ等)
- 乳製品:138品目(特に冷菓含む)
- 原材料:205品目(キャノーラ油製品など)
2025年9月に値上げするもの(一部)
メーカー名 | 商品カテゴリ | 主な対象商品 | 値上げ幅 | 実施時期 |
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明治 | アイスクリーム、常温クリーム類、スープ チーズ3品内容量変更 | 明治 エッセル スーパーカップ、明治 うずまきソフト、明治ピーナッツクリーム、まるごと野菜 完熟トマトのミネストローネなど | 約5~12% | 9月1日出荷分より |
ロッテ | 市販用アイスクリーム 46品 ピノ チョコアソート:内容量変更24入り⇒21入り | 爽、クーリッシュ、雪見だいふく、モナ王、ZERO、レディーボーデン、ハーシー、バニラバーなど | 5.3%~14.8% | 9月1日出荷分より |
森永乳業 | 家庭用アイス 19 品 | ピノ、パルム、MOW(モウ)、チェリオ、味わいソフトなど | 3.3~10.5% | 9月1日出荷分より |
キューピー | マヨネーズ類:30品目 ドレッシング類:27品目 パン用スプレッド等:6品目 素材食品(サラダクラブ クルトン 等):3品目 | キユーピー マヨネーズ、ドレッシング180ml サイズ全品、パン工房、サラダクラブ クルトンなど | 4~18% | 9月1日出荷分より |
伊藤園 | 抹茶製品(お点前用・お茶会用) 計19品 | 抹茶「寿榮の昔(じゅえいのむかし)30g」「吟風の白(ぎんぷうのしろ) 30g」ほか | 48.8 ~ 100.0% | 9月1日より |
ニップン | 家庭用冷凍食品(一部除く) | 5~12% | 9月1日納品分より | |
イートアンドフーズ | 家庭用冷凍食品 餃子(焼き餃子、水餃子等) 点心(焼売、小籠包等) | 大阪王将 羽根つき餃子、ぷるもち水餃子など | 5%~10% | 9月1日納品分より |
ニチレイフーズ | 家庭用冷凍食品 おにぎり商品全て | 焼おにぎり10個入、本格焼おにぎりなど | 10% | 9月1日納品分より |
日清食品冷凍 | 冷凍パスタ、冷凍お好み焼、冷凍米飯※一部製品を除く | 冷凍 日清スパ王プレミアム 海老のトマトクリーム、冷凍 日清の関西風お好み焼 ぶた玉など | 5〜10% | 9月1日納品分より |
寿がきや食品 | チルド商品 各種 | Sugakiya和風とんこつラーメン2人前、Sugakiya冷し中華2人前など | 4~11% | 9月1日納品分より |
フジッコ | 昆布製品 豆製品 ヨーグルト製品 | ふじっ子、きざみ塩こんぶ、純とろ、北海道尾札部産 だし昆布、煎り黒豆、カスピ海ヨーグルトなど | 3%~15% | 9月1日 |
永谷園 | カップ入り お茶づけ海苔 | カップ入り お茶づけ海苔、カップ入り さけ茶づけ | 20% | 9月1日納品分より |
Jオイルミルズ | 家庭用油脂製品 業務用油脂製品および加工用油脂製品 | AJINOMOTO さらさらキャノーラ油、AJINOMOTO オリーブオイルなど | 10%~23% | 9月1日納品分より |
キッコーマン | デルモンテ パイナップルジュース 3アイテム | デルモンテ パイナップルジュース750mlびんほか | 10~24% | 9月1日納品分より |
ブルボン | チョコレート商品、キャンデー | エブリバーガー、きこりの切株、セピアート生クリーム、ひとくちルマンド、キュービィロップ 【内容量変更】72g セピアート生クリームなど | 7~13% | 9月1日出荷分より キュービィロップ:9月16日 出荷分より |
東ハト | ビスケット菓子 | オールレーズン、ソルティなど | 7.0% ~ 26.0% | 9月1日納品分より |
カルビー | ポテトチップス:11 品 かっぱえびせん:11 品 サッポロポテト:8 品 その他スナック:8 品 | 堅あげポテト、かっぱえびせん、サッポロポテト、さやえんどう、ベジたべるなど | 5~10%程度 | 9月1日納品分より |
亀田製菓 | 一部の米菓商品 | ぽたぽた焼、亀田のまがりせんべい、ソフトサラダ、ハッピーターンほか 【内容量変更】無限エビ、無限のり、こつぶっこ | 4%~23% | 9月1日より |
越後製菓 | 米菓製品 | ふんわり名人、新潟の星、とうがらしの種、わさびの種、大柿ほか | 6~42% | 9月1日出荷分より |
ぼんち | 米菓製品 | ぼんち揚、ピーナツあげ、ポンスケ のり味、まろやカレーせんべいなど | 3~7% | 9月1日納品分より |
値上げの背景と今後の見通し
今回の値上げ要因は以下の通りです:
- 原材料費の高騰(97%)
- 物流費の増大(80%)
- 光熱費(66%)、人件費(54%)
円安の影響は弱まった一方で、国内コスト要因の高止まりが構造的な背景となっています。
また、価格を維持するための内容量削減では限界があり、本体価格を引き上げる流れが定着しているのが特徴です。
10月の大型値上げラッシュ予告
帝国データバンクの見通しでは、2025年10月には3,000品目超の値上げが予定されています。
これは半年ぶりの大規模ラッシュであり、2025年通年での累計は2万品目を突破する可能性が高まっています。
秋以降は鍋スープ、年末年始向け商品、飲料・冷凍食品など幅広いカテゴリで値上げが見込まれ、家庭の負担は一段と増す見通しです。
長期トレンドに備える心構えを
025年はすでに4月に4,225品目が値上げされており、年末まで値上げ圧力が続くことはほぼ確実です。
家計管理においては、短期的な節約に加えて、物価上昇を前提としたライフスタイルの見直しが重要となります。
「いつまで値上げが続くのか」ではなく、「値上げが常態化する時代にどう対応するか」が今後のテーマとなるでしょう。