シャインマスカットの苗を無許可で売ると違法?フリマでの苗販売リスク

シャインマスカットの苗を無許可で売ると違法?フリマでの苗販売リスク 農業・漁業
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最近、シャインマスカットの苗木をフリマサイトに出品して販売したとして、種苗法違反の疑いで書類送検されたニュースが話題になりました。ホームセンターで購入した苗木を自宅で増やし、それをインターネット上で売っていたとのことです。

「家庭で育てた苗を出品するくらい問題ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、種苗法は品種登録された植物の増殖や譲渡、販売を制限しており、知らずに法律違反になるケースがあります。本記事では、種苗法とは何か、過去の違反事例、注意すべき品種、そして今回のケースで問われているポイントをわかりやすく整理します。


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種苗法とは?なぜ苗木の売買が問題になるのか

種苗法(正式には「種苗法および育成者権」制度)は、新しい品種を育成した人(または団体)が、その育種の成果を保護できるよう定められた法律です。品種登録を行うと、育成者はその植物の 増殖・譲渡・販売・輸出入 などの行為について、一定期間、排他的な権利(育成者権)を持ちます。

つまり、登録された品種を無断で増やして第三者に売ったり譲ったりすると、育成者権の侵害にあたり、違法となる可能性があります。家庭菜園で自家消費する分には問題がない場合が多いものの、販売や譲渡が関与する行為には注意が必要です。


フリマ販売は「業として」にあたるのか?

今回のケースでは、フリマサイトに複数回出品し、実際に売買が成立していたため、警察は 「業として扱われる可能性が高い」 と判断しています。

  • フリマサイトでの出品は、不特定多数への販売を前提とした公開された形態であり、これが「業としての販売」とみなされやすい。
  • 単発の譲渡ではなく、継続的に出品していること、金銭が発生していることが重要なポイント。

このように、フリマサイトを使った販売でも「業として」の判断が成り立つ可能性があり、「家庭菜園の延長線だから大丈夫」という単純な認識はリスクがあります。


違法になるタイミングはどこ?「出品」と「売買成立」どちら?

種苗法違反が成立するためには、単なる出品だけでなく、売買が成立しているかどうかがポイントになります。

  • 出品だけ:出品しただけで売れていなければ、必ずしも違法と断定されるわけではない可能性がある。ただし、反復して出品する意図や規模によっては業としての活動とみなされることも。
  • 売買が成立している:実際に購入者がいて、取引が成立している場合、育成者権の侵害になるリスクが非常に高い。

したがって、「出品=完全にセーフ」ではなく、「増殖した苗を許諾なく販売すること」が明確に違法行為ですが、販売する目的での無許可での「出品」や「保管」も、捜査の対象となり得ます。


無料で譲ってもNG?育成者権への影響はあるのか

金銭が絡まない無料譲渡でも注意が必要です。種苗法では、 有償・無償を問わず育成者権を侵害する可能性があります

  • たとえば、無料で他人に苗を譲る行為が 定期的・反復的 であれば、「業としての譲渡」とみなされる可能性がある。
  • 種苗法は単に金銭のやりとりを問題にするのではなく、育成者の許可なく増やしたり渡したりする行為自体を制限している。

そのため、「タダであげるだけだからOK」と軽く考えるのは危険です。


ホームセンターで買った苗から採れた果実、その販売は合法か?

ここはよく誤解されやすいポイントですが、ホームセンターで正規に購入した苗を育てて、そこから収穫した果実を売ることは、原則として問題ありません

整理すると、以下のような線引きが典型的です:

行為合法性
正規に購入した苗を育てる合法(自由)
その苗から採れた果実を販売する合法(自由)
その苗を挿し木などで増やして販売する違法(育成者権の侵害)
果実から種や苗をつくり、それを販売する違法(育成者権の侵害)

つまり、果実の収穫・販売はOKですが、そこから苗を作って売るのはNGということです。

ただし、登録品種には、「海外持出禁止」などの利用条件が設定されている場合があり、苗を無許可で海外へ持ち出すと違法となります。

フリマサイトに希少イチゴ苗 安易な出品、海外流出恐れ - 日本経済新聞
品種登録された植物の苗をフリーマーケット(フリマ)サイトで違法に売却する事件が目立っている。摘発されれば10年以下の懲役といった罰則が科されるが、家庭栽培で増やした苗を「小遣い稼ぎ」として安易に出品する事例が絶たない。商品価値が高い希少種が...

過去の違反事例と実際のリスク

今回のシャインマスカット以外にも、種苗法違反で摘発された事例は複数あります。

  • 有名なイチゴ品種がフリマサイトで出回り、無許可で販売された事例が報じられている。
  • 地方や個人レベルでの小規模でも、継続的な取引や出品を通じて育成者権を侵害するケースがある。

これらは、登録品種を扱う人が権利の存在を軽く考えてしまう典型的なパターンだと言えます。


注意すべき品種と見分け方

種苗法のリスクを避けるためには、以下の点をチェックするのが有効です。

  1. 高付加価値品種/登録品種を確認する
     特にブランド果物(シャインマスカット、ブランドいちご、りんご品種など)は登録されている可能性が高い。
  2. 苗の購入元を確認する
     信頼できる園芸店や正規販売業者から購入し、ラベルなどに「正規苗」「許諾販売」の表示があるかを見る。
  3. 育種者権者に確認する
     不明な場合は、育成者や育種団体、または管轄の行政機関(農林水産省など)に問い合わせて確認する。
  4. 出品や譲渡は慎重に
     増やした苗を譲ったり売ったりする場合は、反復性や規模に注意し、無許可での取引にならないよう警戒する。

結論:種苗法を理解し、安心してガーデニングを楽しもう

シャインマスカット苗の今回の書類送検は、多くの人にとって「自分の庭で育てた苗を出品するのは問題ない」と思われがちな行為が、実は重大な法的リスクを伴うことを示す警鐘です。

  • 正規に購入した苗を育て、果実を楽しむ。
  • 果実は販売できるが、そこから増やして苗にする行為は慎重になる。
  • フリマサイトへの出品や譲渡は「業として」とみなされる可能性がある。
  • 無料譲渡でも違反になるリスクがある。

これらのポイントをきちんと理解し、育種者の努力と権利を尊重しながら家庭菜園を楽しむことが大切です。

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