2024年から続く円安と原材料高は、家庭の食卓を直撃し続けています。帝国データバンクの調査によれば、2025年だけで既に1万4,000品目超が値上げを経験しました。6月も例外ではなく、私たちの日常になじみ深い商品が次々と改定対象に――。本記事では主要メーカーの発表を整理し、上手な乗り切り方をご提案します。
2025年6月の値上げの傾向と対象商品
カカオ豆、かつお、昆布、タコなどの食品原材料、小麦、大豆といった輸入原材料の国際価格高騰が続いています。また、海苔製品や魚肉製品などは、海水温の影響による不漁も値上げの要因となっています。
2025年6月には食品だけでも1,383品目の値上げが予定されています。

2025年6月値上げするもの:加工食品
メーカー名 | 商品カテゴリ | 主な対象商品 | 値上げ幅 | 実施時期 |
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サトウ食品 | パックごはん(サトウのごはん) | 「新潟県産コシヒカリ」、「銀シャリ」 | 約11〜14% | 2025年6月2日出荷分より |
はごろもフーズ | のり製品、パックご飯 | 味付のり各種、かみきれーる各種、焼きのり各種、パパッとライス各種 | 11.2~30.1% | 2025年6月2日出荷分より |
ハウスギャバン | スパイス、ルウ・フレーク、レトルト、ケアフード、加工食品など(業務用 845品) | 約5〜15% | 2025年6月2日納品分より | |
味の素 | おかゆ製品、スープ製品 | 「味の素KKおかゆ」(全6品種)、「スープDELI」パスタ袋入(全5品種) | 約10~11% | 2025年6月1日納品分より |
日本ハム | 豚まんなど220品目 | 天津閣シリーズの「豚まん」 | 約3%~25% | 2025年6月1日 |
東洋水産 | 包装米飯 及び 魚肉ハム・ソーセージ類 冷凍麺 | あったかごはん、ふっくら一善ごはん、おさかなでつくったソーセージ、屋台一番焼そばシリーズ | 約3~17% | 2025年6月1日納品分より |
大森屋 | 家庭用海苔製品 | 「ぱりうま焼きのり」 | 約15~31% | 2025年6月2日出荷分より |
ニコニコのり | 家庭用製品 | 「ニコニコのり 味のり」、「おにぎりのり」 | 卸価格10~40%のアップ | 2025年6月2日出荷分より |
調味料2025年6月値上げするもの:調味料
イチビキ | 釜めしの素、家庭用鍋つゆ | ストレート釜めしの素各種(ストレートたこめしの素ほか) 家庭用鍋つゆ各種 | 約5~12% | 2025年6月2日出荷分より 2024年6月3日出荷分 |
にんべん | つゆの素類、たれ類、白だし類、他 | つゆの素(もと)、白だし、たれ | 約6~7% | 2025年6月2日出荷分より |
二ビシ醤油 | しょうゆ(一部しょうゆ加工品含む) | | 約10~30% | 2025年6月1日納品分より |
2025年6月値上げするもの:飲料・菓子類
明治 | チョコレートとスポーツ栄養 クリーム | 明治ミルクチョコレート、アーモンドチョコレートなどチョコレート:31品 ザバスプロテインバー:3品 明治おいしい生クリーム | 約9~36% | 2025年6月1日出荷分より |
カルビー | スナック菓子 | じゃがりこ | 約4~19% | 2025年6月2日納品より |
岩塚製菓 | せんべい | 岩塚の黒豆せんべい、鬼ひび、旨塩せん、ゆず胡椒せん、だしせん | 約4~13% | 2025年6月16日出荷分より |
日清ヨーク | 乳酸菌飲料およびドリンクヨーグルト | 「ピルクル」、「十勝のむヨーグルト」 | 4~25% | 2025年6月1日納品分より |
家計を守る5つの対策
値上げ前の“計画買い”
保存がきくパックご飯・レトルト・調味料は改定日前に1~2か月分を確保。ただし賞味期限と保管スペースを必ず確認。
原料を活かす“作り置き”
カレールウの代わりにカレー粉+小麦粉で自家製ルウを作れば約30%節約。チョコレート菓子は板チョコを刻んでクッキーに転用。
代替食材の活用
ソーセージは鶏ひき肉+豆腐で手作り“なんちゃってナゲット”に置き換え。コストは約半分。
ポイント還元率の高い決済を選ぶ
日用品値上げ分をキャッシュレス還元(1〜2%)で相殺。特売日の利用と合わせて効果大。
ニュースを定点観測
帝国データバンクやメーカーのプレスリリースを月1回チェックし、次の値上げに備える。RSSや公式LINEの活用が便利。国内仕入れ価格の上昇が顕著であり、食品メーカーがそのコストを価格に転嫁する動きが活発化すると思われます。
これからどうなる?私たちができること
6月は、主食・調味料・おやつという「毎日必ず使う品」が軒並み値上げされ、家計の固定費部分が押し上げられます。円安基調と原材料高は当面続く見通しであり、秋以降も追加改定が予測されています。
とはいえ、「買うタイミングをずらす」「代替品を試す」「使い切る」という基本を徹底すれば、負担は確実に抑えられます。日々の価格に敏感になりつつも、必要以上の買いだめは避け、冷静に“お金と食品のロス”を防ぎましょう。
今後もプレスリリースや調査機関の発表をもとに最新情報をお届けします。少し先の値上げを知って備える――それが家計防衛の第一歩です。