人気YouTuberのHIKAKIN(ヒカキン)が、カップ麺「みそきん」に続く新たなプロデュース商品として発表したのが、麦茶ブランド「ONICHA」です。発売日は自身の誕生日である2026年4月21日、販売は全国のセブン‐イレブンという大規模展開が予定されています。
今回の特徴は、あえて「麦茶」という極めて日常的で、いわば“脇役”の飲料に焦点を当てた点にあります。HIKAKIN(ヒカキン)本人も「地味で主役ではなかった麦茶を、ワクワクする飲み物に変えたい」と語っており、単なる商品販売ではなく、“カテゴリーそのものの再定義”を狙ったプロジェクトといえます。
パッケージには鬼のキャラクター「おにっぴ」を採用し、ラベル裏にはおみくじ要素を取り入れるなど、従来の麦茶にはなかったエンタメ性が盛り込まれています。
ヒカキンがなぜ麦茶なのか─「親」としての視点
今回の「ONICHA」が注目される理由は、単なる話題性だけではありません。その根底には、HIKAKIN(ヒカキン)のライフステージの変化があります。
本人は、子どもが生まれたことで「家族に安心して飲めるものを選びたい」という意識が強くなったと説明しています。麦茶はカフェインゼロであり、赤ちゃんから高齢者まで幅広く飲める安全性の高い飲料です。
しかし、その一方で「地味で選ばれにくい」という課題も存在していました。ジュースや炭酸飲料がカラフルなパッケージや強いブランド力で子どもを引きつける中、麦茶は“健康だが面白くない”という位置にとどまっていたのです。
このギャップに対して、「手に取りたくなる麦茶」を作るという発想は、単なる商品開発ではなく、消費行動そのものを変えようとするマーケティング戦略といえます。
ヒカキンの謎の波の音配信から始まった“異例のプロモーション”
今回の騒動で特に話題となったのが、3月28日から始まったHIKAKIN(ヒカキン)Youtubeチャンネルでの波の音のみのライブ配信です。
画面は真っ暗で、流れるのは波の音のみ。数十時間以上続くこの異様な配信に対し、視聴者の間ではさまざまな憶測が飛び交いました。
「事故ではないか」「チャンネルが乗っ取られたのでは」「精神的に不安定なのでは」といった不安の声から、「新作の伏線ではないか」という考察まで、SNS上は一種の“情報カオス”状態に陥りました。
実際には、この配信はCM演出の一部であり、最終的に「ONICHA」の発表へとつながります。桃太郎や鬼ヶ島をモチーフにした映像演出も含め、日本文化と商品コンセプトを結びつけたストーリー型プロモーションでした。

ネットの反応は賛否両論──成功か炎上か
この一連の流れに対して、ネット上の評価は大きく二分されています。
まず肯定的な意見としては、
・「麦茶を主役にする発想が面白い」
・「ジュースではなく健康的な選択を促すのは良い」
・「みそきんに続くヒットの予感」
といった、商品コンセプトそのものを評価する声が多く見られます。
一方で、否定的な意見も無視できません。
・「心配させる演出はやりすぎ」
・「不安を煽るプロモーションは不快」
・「麦茶をわざわざ特別扱いする必要があるのか」
特に問題視されたのは、「波の音配信」が一部で“事故や異変”と受け取られた点です。結果的にPRだったと判明したことで、「人を心配させる手法だったのではないか」という批判が一定数発生しました。
このように、話題性は確保したものの、その手法については議論が残る形となりました。
「みそきん」に続くヒットは生まれるのか
前作「みそきん」は発売直後から品薄状態が続き、入手困難な商品として社会現象化しました。その成功体験があるからこそ、今回の「ONICHA」に対する期待値も非常に高まっています。
ただし、今回の商品はカップ麺とは異なり、「麦茶」という既存市場が成熟したジャンルです。味や価格だけで差別化するのは難しく、重要になるのは“体験価値”です。
・キャラクター
・おみくじ要素
・ストーリー性
・インフルエンサーによる拡散力
これらを組み合わせることで、「ただの飲料」から「選ばれる理由のある商品」へと昇華できるかが鍵になります。
まとめ:ONICHAは単なる“飲み物”ではない
「ONICHA」は単なる麦茶ではありません。むしろ、
・健康志向 × エンタメ性
・日常飲料 × ブランド化
・子ども視点 × 親の安心
といった複数の価値を掛け合わせた、コンセプト主導型の商品です。
波の音配信を含むプロモーションは賛否を呼びましたが、その分だけ圧倒的な認知を獲得したのも事実です。現代のマーケティングにおいて、「話題化」は最も強力な武器の一つであり、HIKAKIN(ヒカキン)はそれを熟知しているといえるでしょう。
今後、「ONICHA」が一過性の話題で終わるのか、それとも本当に“日本の麦茶を変える存在”になるのか。その答えは、消費者がこの商品を「日常に取り入れるかどうか」にかかっています。
