日本全国で「偽造硬貨」や「本物に酷似したコイン」を巡るトラブルが相次いでいます。中でも注目を集めているのが、100円玉にそっくりな偽物の硬貨が、実際の支払い場面や両替機から見つかっているという事実です。見た目だけでは判別が難しく、一般の消費者や店舗が被害に遭うケースも増えています。
こうした状況は、現金決済が今も多く残る日本社会にとって、決して軽視できない問題です。本記事では、偽造硬貨の実例、悪質な手口、背景にある国際的な事情、そして私たちが取るべき対策について、わかりやすく解説します。
1000RP:【そっくり】両替機から“ニセ100円玉”?側面にギザギザなく裏面には「MVS」の刻印https://t.co/tsK5NJ7lfO… pic.twitter.com/2SgMZzZje6
— ライブドアニュース (@livedoornews) January 6, 2026
発端は「ニセ100円玉」 誰もが気付けない精巧さ
話題のきっかけとなったのは、お笑いタレントのスマイリーキクチさんが発見した「100円玉そっくりのコイン」でした。年末に家族でカプセルトイ店を訪れ、両替した際に手元に残った硬貨の中に、違和感のある一枚が混じっていたといいます。
表面を見ると、日本の100円玉とは明らかに異なるアルファベットが刻まれており、まるでゲームセンターで使われるコインのような外見でした。しかし、裏面は本物の100円玉とほぼ同じデザインで、色や大きさも極めて近く、ぱっと見では判別が困難だったと語られています。
この硬貨は、ゲーム機で使用される「MVS」と刻印されたコインと酷似しており、海外、とくに中国の通販サイトなどで流通している類似品が日本に持ち込まれた可能性が指摘されています。

偽造だけではない 混ぜて支払う悪質な手口
今回の問題は、いわゆる「偽造硬貨」だけにとどまりません。各地で明らかになっているのは、日本の硬貨に似た別物を意図的に混ぜて支払うという、極めて悪質な手口の存在です。
・ゲームセンターのコインを100円玉に混ぜて支払う
・韓国の硬貨を日本円として使用する
・50円玉と称してワッシャー(金属部品)を置いていく
とくに多いのが、忙しい時間帯を狙ったケースです。複数枚の硬貨をまとめて渡されると、重なった状態では違いに気付きにくく、そのままレジに入ってしまうことがあります。後から整理して初めて異物に気付くという店舗の声も少なくありません。
韓国の500ウォン硬貨に注意 見た目と価値の落とし穴
類似硬貨の中でも、注意が必要とされているのが韓国の500ウォン硬貨です。直径や厚みが日本の500円玉に非常によく似ており、色合いも近いため、慣れていないと判別は容易ではありません。
しかし、価値は大きく異なります。日本円に換算すると約50円程度であり、500円玉と比べるとおよそ10分の1の価値しかありません。これを意図的に混ぜて支払う行為は、明確な詐欺的行為といえます。
観光客の多い地域や現金決済が中心の小規模店舗では、特に注意が必要です。

自動販売機は見抜けるのか 機械と人間の違い
では、自動販売機や両替機はこうした偽造硬貨や外国硬貨を見分けられるのでしょうか。
現在の日本の自動販売機は、高性能なセンサーを備えており、硬貨の重さ、材質、磁気特性などを複合的に判断しています。そのため、韓国の500ウォン硬貨などは、多くの場合そのまま戻ってくる構造になっています。
しかし、専門家は「不正と対策は常にいたちごっこ」と指摘します。人間の目では判別できなくても、機械を狙って作られたコインが通過する可能性を完全にゼロにすることは難しいとされています。
記念硬貨まで偽造される時代 1万円銀貨の衝撃
さらに深刻なのが、「 昭和天皇御在位60年記念10,000円銀貨 」が偽造され、実際に金融機関で両替されていた事件です。
この偽造銀貨は、本物に比べて光沢がなく、全体的に白っぽい外見をしていたとされています。しかし、記念硬貨に詳しくない一般の人が見分けるのは非常に困難です。
警察は、この偽造銀貨を使って全国各地で多数の両替を行っていたグループを摘発しており、偽造通貨が組織的に流通していた可能性も否定できません。

なぜ偽造硬貨はなくならないのか
専門家によると、海外では偽造通貨が裏社会の産業として成立している国や地域もあるといいます。とくに硬貨は紙幣に比べて注目されにくく、少額であるがゆえに発覚が遅れやすいという特徴があります。
「MVS 中国」というワードが示すように、中国を含む海外市場で流通する類似コインが、日本国内に持ち込まれることで、意図せず、あるいは意図的に使用されてしまうリスクが高まっています。
一般の人ができる見分け方のポイント
完全に見抜くことは難しいものの、以下の点を意識することでリスクを下げることは可能です。
・刻印がぼやけていないか
・表面が不自然にザラザラしていないか
・重さや音に違和感がないか
・側面の加工が粗くないか
本物の日本の硬貨は、圧印式と呼ばれる製法で作られており、模様がくっきりしています。一方、偽造品は鋳型で作られることが多く、細部に甘さが出やすいとされています。
偽造硬貨を見つけたときの正しい対応
万が一、偽造硬貨や不審なコインを見つけた場合は、以下の対応が重要です。
・使用しない
・保管したまま警察に届け出る
・店舗の場合は経緯を記録しておく
知らずに使ってしまった場合でも、速やかに相談することが大切です。財務省によると、偽造通貨を作る行為だけでなく、使う行為も重い罪に問われる可能性があります。
まとめ 偽造硬貨は誰の身近にもある問題
100円玉そっくりの偽コイン、外国硬貨の混入、さらには記念銀貨の偽造まで、偽造硬貨を巡る問題は確実に私たちの日常に近づいています。特別な知識がないと見分けられないケースも多く、「自分は大丈夫」と思い込むのは危険です。
現金を扱う一人ひとりが注意を払うことが、被害を防ぐ第一歩になります。少しでも違和感を覚えたら、その場で確認する習慣を持つことが、安心して生活するために欠かせない時代になっています。
