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デジタル教科書は本当に「よくない」のか?ICT教育のこれから

デジタル教科書は本当に「よくない」のか?ICT教育のこれから 教育・育児
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最近、「デジタル教科書はよくない」という声がSNSやニュースで広がっています。特に、スウェーデンがデジタル教科書をやめ、紙の教科書に戻すというニュースは大きな話題になりました。

「デジタル教科書は本当に良くないのか?」
「日本のICT教育は間違っているのか?」

この記事では、スウェーデンと日本の事例を比べながら、デジタル教科書とICT教育のメリット・デメリットをわかりやすく説明します。


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デジタル教科書とは?ICT教育とは?

まず言葉の意味を整理します。

  • デジタル教科書:紙ではなく、タブレットやパソコンで読む教科書のこと。画面を見ながら学習します。
  • ICT教育:パソコンやタブレット、インターネットを使った学び全体のこと。ICTは「情報通信技術」の略です。

日本では2020年から「GIGAスクール構想」という取り組みが始まり、全国の小中学生にタブレットが配られました。この動きは、授業でICTを活用し、「楽しく学べる」「自分に合った学習ができる」ことを目指したものです。

デジタル教科書は本当に「よくない」のか?ICT教育のこれから

スウェーデンがデジタル教科書をやめた理由

スウェーデンは、もともとデジタル教科書やタブレット学習を積極的に進めていた国です。ところが最近、「学力が下がっている」という調査結果が出たことで、紙の教科書に戻す方針に切り替えました

スウェーデン政府は、次のような理由でデジタル教育の見直しを進めています。

  • 画面を見る時間が長く、目や健康に良くない
  • 手書きの機会が減り、記憶が定着しにくい
  • 基礎学力(読む力、書く力)が低下した

スウェーデンでは、特に子どもの読解力が落ちてきたことが大きな問題になり、「やっぱり紙の教科書が大事だ」という考えが広がったのです。


日本のGIGAスクール構想はどうなっている?

一方、日本ではどうでしょうか。

日本は2020年からGIGAスクール構想を本格的に進め、すべての小中学生が一人一台タブレットを持つ環境が整いました。授業でタブレットを使うことも当たり前になりつつあります。

文部科学省の最新データでは、小学校で週に3回以上タブレットを使う授業が80%近くに達しています。

タブレット学習の効果は?

民間の調査では、タブレット学習をした子どもたちは「授業が楽しい」と感じる割合が高いことがわかりました。

  • グループワークや話し合いの機会が増えた
  • 自分のペースで学べるようになった
  • 学びへのモチベーションが上がった

また、タブレット学習を楽しんでいる子ほど、将来ITに関わる仕事に興味を持つ傾向があることも調査で示されています。

これは、2030年に約79万人不足すると言われているIT人材の育成にもつながる可能性があります。


デジタル教科書とICT教育の課題

もちろん、いいことばかりではありません。

1. 健康面の不安

長時間タブレットを見ることで、目の疲れや集中力の低下が心配されています。特に小学生には画面の見すぎに注意が必要です。

2. 教員の負担

現場では、先生たちがICTをうまく使いこなせていないという声もあります。

  • ICT授業の準備が難しい
  • 機械トラブルへの対応が大変
  • ICTの使い方に自信がない先生もいる

先生たちへのサポートや、使い方を学ぶ研修がまだ十分ではないのが現状です。

3. 家庭との温度差

家庭によっては、タブレット学習に対する理解が浅いこともあります。「本当にデジタルで大丈夫なの?」と不安を持つ親も少なくありません。


「デジタル教科書はよくない」は正しいのか?

結論から言えば、「デジタル教科書はよくない」と一言で決めつけるのは早すぎます。

ポイントは「使い方」

  • タブレットを効果的に使えている学校では、学びが楽しくなっている
  • 逆に、タブレットをただ配っただけでは意味がない

デジタルかアナログか、どちらが良いという話ではなく、大事なのはバランスです。

スウェーデンのように、画面の見すぎを防ぎ、手書きや紙教材も取り入れることで、デジタルの良さと紙の良さを両立することができます。


これからのICT教育に必要なこと

日本がこれからデジタル教科書をもっと良く使うためには、次のことが重要です。

① 先生へのサポートを充実させる

ICTをうまく活用するためには、先生たちが安心して使える環境づくりが必要です。

  • ICT授業の具体例を共有する
  • 機械トラブル時のサポート体制を強化する
  • 継続的な研修を実施する

② 健康への配慮を忘れない

  • 画面を見る時間に上限を設ける
  • 休憩時間をしっかりとる
  • 親子でデジタルとの付き合い方を話し合う

③ 家庭との連携を深める

  • 保護者向けにICT教育の目的を丁寧に説明する
  • 家庭でのタブレット活用方法を共有する

④ 使い方を常に見直す

  • 「本当にこの授業でタブレットを使うべきか?」を先生も保護者も一緒に考える
  • スウェーデンのように他国の事例も学び続ける

まとめ:デジタルも紙も、どちらも大事

「デジタル教科書はよくない」という意見は、一部は正しいといえるでしょう。学力・基礎力への懸念という正当な根拠に基づいています。一方で、ICTをうまく活用する教育現場では、生徒の主体性や学びのモチベーションが高まる変化も見られます。

  • デジタルには楽しく学べる、将来の役に立つという大きなメリットがあります。
  • ただし、健康や基礎学力への配慮は絶対に必要です。

これからの日本のICT教育は、デジタルとアナログのバランスをとりながら進めることが大切です。

「紙か、デジタルか」ではなく、「子どもたちにとって一番良い方法は何か」を考え続けることが、未来の学びを豊かにする第一歩になるでしょう。

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