2025年5月、マクドナルドのハッピーセットが再び注目を集めました。人気キャラクター「ちいかわ」と「マインクラフト ザ・ムービー」とのコラボが実施されたのです。ところが、話題性とは裏腹に、販売は第2弾の開始からわずか1日強で早期終了。その背景には、転売ヤーの暗躍や、おもちゃの選択ができない現在のシステムが影響している可能性も考えられます。
この記事では、ハッピーセットの販売形式、転売問題、そしてユーザーやネット上の反応などを丁寧に整理し、「なぜこうした事態が起きるのか」「今後どう改善されるべきか」を考察していきます。

かつては「選べた」ハッピーセット 今は“ガチャ方式”に
「昔は選べた」というSNSの投稿もあるように、かつて、マクドナルドのハッピーセットではおもちゃの種類を選ぶことができました。子どもが好きなキャラクターや遊びたいギミックを自分で選べるこの方式は、親子にとっても安心できるものでした。
しかし、現在では「どのおもちゃが出るかはお楽しみ」という形式に変更され、基本的にランダムとなっています。これはおそらく、在庫管理の効率化や不公平感を減らす目的があると考えられますが、その裏で問題が起きています。
マクドナルド公式 よくあるご質問 おもちゃについて
Q.ハッピーセット®のおもちゃが選べない販売方法をしている場合があるのは、どうしてですか?
A.おもちゃを開封していただくまでは何が出るか分からない方式を取らせていただきましたのは、お客様にワクワク感やドキドキ感などを味わっていただきたく、また、それをマクドナルドにおいでいただく楽しみの一つとしていただければと考えております。
欲しいおもちゃが出ない ⇒ 複数購入・転売に走る
「選べない」ことによって生まれるのが、“お目当てのおもちゃが出るまで買い続ける”という行動です。1人4セットまでという制限があっても、複数店舗を回ったり、家族の分を名目に購入を繰り返すケースもあります。
そうして出た「不要なおもちゃ」はどうなるのか?
多くの場合、メルカリやヤフオクに出品されて転売されているのです。さらに、お目当てのアイテムを手に入れたい人は、購入時点からフリマアプリを覗き、定価以上の金額で手に入れようとする…。こうした循環が生まれてしまっています。
24時間営業の店舗で「開始時間前」に出ることも?
マクドナルドのハッピーセットは基本的に朝5時から新商品が販売開始されます。これは全国共通のルールとされていますが、24時間営業の一部店舗では例外的に早く販売が始まってしまうことがあるとの情報も。
また、ユーザーからは「キャンペーン前夜の夜中に買えた」「前日深夜に出ていた」といったSNS投稿も散見されており、地域や店舗によって多少のばらつきがあるのも事実です。
これが結果として、開始直後に一部の転売ヤーが大量入手⇒即メルカリ出品という流れにつながっている可能性も否めません。
キャンペーン開始前にメルカリ出品!?内部リークや無在庫販売の疑いも
さらに注目すべきは、「ちいかわ」や「マイクラ」のハッピーセットが公式販売開始前からメルカリに出品されていたという事実です。
これは非常に不可解で、
- 店舗関係者が事前に仕入れて出品している?
- おもちゃの入手ルートを事前に確保している転売業者?
- いわゆる無在庫販売で、落札後に確保する手法?
といった複数の仮説がネット上で飛び交っています。
特に注意すべきは「実物写真付きで出品されているケース」です。これは単なる仮出品ではなく、現物をすでに所持している可能性が高いと考えられます。内部からのリークや、管理体制の甘さも疑われかねない状況です。

ハッピーセット“おもちゃ目当て”で食事が廃棄 深刻化する食品ロス問題
また、購入者が付属のおもちゃだけを取り出し、食事を廃棄する事例が報告されています。
SNS上では、食べられずに放置されたハンバーガーやポテトの画像が拡散され、食品ロスへの懸念が高まっています。
このような行為は、食材の無駄遣いだけでなく、社会全体の倫理観やモラルの低下を示すものとして批判されています。マクドナルドは、不要になったおもちゃのリサイクル活動を通じて環境への配慮を進めていますが、食品廃棄の問題には新たな対策が求められています。今後、購入者のモラル向上とともに、企業側の販売方法の見直しが必要とされています。
「子どもが買えないハッピーセット」への怒りと疑問
SNSでは、多くのユーザーが次のような声を上げています。
「ハッピーセットは子どものためのもの。転売目的で大人が買い占めるのは本末転倒」
「欲しかったおもちゃがどこにもない。なのにメルカリには山ほど出ているのはおかしい」
「子どもに“買えなかった理由”を説明するのがつらい」
本来、ハッピーセットは子どもたちに夢を与える商品のはず。ところが、転売目的の購入により、正当に楽しみたい家族が損をする構造が生まれてしまっています。

提案される対策:アプリ限定・抽選制・子ども連れ限定販売
ネット上では、転売を防ぐために以下のような対策を求める声が上がっています。
アプリ会員限定販売
マクドナルド公式アプリと連携し、アカウント単位での購入制限を設けることで、リピーターによる買い占めを防止。
子ども連れに限定した販売
レジで子どもの同伴を確認した上でのみ、ハッピーセットを販売する。テーマパークなどでも採用されている手法。
抽選販売
抽選により当選者にのみ購入権利を与える方式。過去にユニクロやスタバのグッズ販売でも効果を発揮した方法。
フリマアプリの販売制限
メルカリやヤフオクが、キャンペーン期間中の出品を制限する対応も必要。過去にポケモンカードで一部実施されたことも。
「ちいかわ」「マイクラ」に続く人気シリーズへの懸念
2024年には「星のカービィ」もハッピーセットに登場しましたが、この時も早期終了や転売の問題が発生しました。そして2025年、「ちいかわ」と「マイクラ」ではさらに深刻な混乱が起こりました。
今後、人気キャラクターとのコラボが予定されていた場合、同じ問題が繰り返されることが強く懸念されます。
ハッピーセットが“夢”であり続けるために
子どもたちの笑顔とともに歩んできたハッピーセット。そこに影を落とす転売問題は、単なる“人気商品争奪戦”ではなく、「社会のモラル」や「企業の責任」が問われる問題です。
マクドナルド側にも、システム改善と在庫管理の強化が求められる一方で、消費者一人ひとりが「転売品を買わない」という行動を取ることも、問題解決に大きな力となるでしょう。
誰もが公平に、子どもたちが安心して楽しめるハッピーセットの未来を守るために、今こそ、私たち一人ひとりの意識が問われています。