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江藤農水相「コメは買ったことがない」発言が炎上 全面撤回と謝罪も批判止まず

江藤農水相「コメは買ったことがない」発言が炎上 全面撤回と謝罪も批判止まず 時事・ニュース
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江藤農水相発言はどこで飛び出したのか?

2025年5月18日、佐賀市内で行われた自民党佐賀県連主催の政治資金パーティー「政経セミナー」で、江藤農水相は講演中に問題となる発言を行いました。

演題は農業政策に関するもので、政府が進める備蓄米の流通施策について話していた最中でした。ここで江藤氏は「私はコメを買ったことはありません。支援者の方がたくさんくださるので、家には売るほどある」と発言。これには会場の聴衆から笑いが起きましたが、会場の雰囲気とは裏腹に、SNSではこの発言が瞬く間に拡散され、激しい批判の対象となりました。

江藤農水相発言の意図は「ウケ狙い」だったのか?

翌5月19日、江藤農水相は記者団の質問に応じ、「ちょっとウケを狙って強めに言った」と釈明しました。

実際には、江藤氏の妻が近所のスーパーで定期的にコメを購入しており、「本当に一度も買ったことがない」というわけではなかったと説明。また「売るほどある」という表現についても、支援者から玄米を贈られることは事実だが、それを自宅で家庭用精米したり、コイン精米機に持ち込んで精米していることから、実際には“売る”ほどの量ではないことを認めました。

要するに、支援者から贈られたコメを家庭内で消費していること自体は事実ながら、それを“面白おかしく”誇張してしまったというのが真相です。

しかし、物価高騰と実質賃金の低下に苦しむ庶民にとっては、「コメを買ったことがない」「売るほどある」という発言は到底笑えないものであり、反感を買うのは当然の流れと言えるでしょう。

「撤回ではなく修正」との言い分

江藤農水相はこの発言について、「撤回」ではなく「修正」するとの立場を取りました。つまり、支援者から米を贈られるという事実そのものは否定せず、表現に一部誇張があったことを認めたうえで、誤解を招いた点だけを訂正する、という意図です。この「修正」という言葉遣いもまた、政治家特有の“言い逃れ”と捉えられ、ネット上では「往生際が悪い」「完全に撤回しろ」といった厳しい声も飛び交いました。

辞任は否定、「結果で示す」と進退に言及

この一件を受けて、江藤農水相は進退についても問われましたが、「結果を出すことで応えたい。辞任は考えていない」と明言。すなわち、今回の発言の不適切さは認めるものの、政策遂行を通じて責任を果たすという構えを示したのです。

この発言を受けて石破茂首相も動きました。19日夕方には江藤氏を官邸に呼び、「大変不適切だ。深く反省し、米価対策に全力を挙げよ」と厳重注意を行いました。さらに、「続投を許可するが、今後の成果次第では判断を見直す」として、辞任までは求めず、現職のまま政策遂行に注力するよう指示しました。これは「更迭にまでは当たらないが、次の失言は許されない」という、いわば猶予付きの警告とも取れる対応です。

江藤農水相、首相官邸で「全面的に撤回」と謝罪

当初は「撤回ではなく修正する」と語っていた江藤農水相でしたが、事態の拡大を受けて発言を一転させました。

2025年5月19日午後、江藤大臣は首相官邸で石破茂首相と面会。その後、記者団の取材に応じ、自身の「コメを買ったことがない」発言について、「全面的に撤回し、皆様におわびを申し上げる」と明言しました。

この謝罪は、単なる誤解では済まされないと判断し、発言そのものを白紙に戻す対応に踏み切った形です。江藤氏は「軽率だった。不適切な発言で、多くの方を傷つけたことを深く反省している」とも述べ、やや厳しい表情で頭を下げました。

石破首相も、記者団の前で「政治家は言葉に対して誰よりも敏感でなければならない。江藤大臣には猛省を促した」とコメント。事実上の“最後通告”とも取れる発言で、続投容認の代わりに厳しい監視姿勢を示しました。

これにより、「修正」という言い回しで収束を図ろうとした当初の姿勢は事実上の撤回となり、全面謝罪という形で落ち着くことになりました。

SNSと識者の反応――“令和のマリー・アントワネット”と揶揄される事態に

ネット上では、著名人からも厳しいコメントが相次ぎました。

実業家で論客の「ひろゆき」こと西村博之氏は、「権力者である政治家は支援者から現金やお米を貰えます」とした上で「だから、米が高い、貧困・学費問題や社会保険料30%取られる問題が些細な問題として放置される」と指摘。政治家が国民の生活実感から乖離している現状を批判しました。

また元大阪市長の橋下徹氏も、「発言そのものより、政治資金収支報告書に不記載でもらっていたらアウトでしょう」とコメント。これは、公職選挙法や政治資金規正法に触れる可能性を示唆したもので、単なる失言とは異なる構造的な問題に言及するものです。

さらにX(旧Twitter)では、「#江藤農水相辞任」「#令和のマリーアントワネット」などのハッシュタグがトレンド入り。「コメを買ったことがない」というセリフが、「パンがなければケーキを食べればいい」と言ったとされるマリー・アントワネットの逸話と重ねられたのです。

SNS上の一般ユーザーからも、「謝罪より値下げ策を」「コメ買う前に5秒ためらう生活してみてから言え」「庶民感覚がゼロ」といった怒りと皮肉が入り混じったコメントが多く寄せられました。特に家計の逼迫が続くなかで、食料品の中でも最も基本的な“コメ”に関する感覚がずれていることへの批判が集中しています。

江藤農水相の発言が象徴する「政治家の庶民感覚の乖離」

背景には、米価の高騰が深刻な問題として存在しています。2025年5月第2週の全国平均価格は、5kgで4,268円と史上最高値を記録しています。政府はすでに31万トンの備蓄米を市場に放出しましたが、それでも価格の沈静化には至っていません。

こうしたなかで、消費者は「今日はコメを買うのをやめよう」と判断せざるを得ないほどのプレッシャーを感じており、「コメを買ったことがない」などという発言が“火に油”となったのは当然のことです。

信頼回復へ

この炎上を収束させ、国民の信頼を取り戻すためには、いくつかの具体的な対応が求められます。第一に、支援者からの物品提供や献金があった場合には、すべて政治資金収支報告書に正確に記載するという情報公開の徹底が必要です。

次に、備蓄米の入札間隔を短縮し、玄米の流通スピードを上げるなど、目に見える形での価格安定策を実施することが急務です。そして、産地や消費地の現場を定期的に視察し、その内容をSNS等で国民と共有することで、現場視点に立った政策を打ち出す努力が求められます。

江藤大臣は「結果を出すことで応えたい」と語りましたが、庶民感覚からのズレを放置したままでは、いかなる政策も空回りに終わる可能性があります。この“コメ炎上”を単なる一過性の失言事件としてではなく、政治家と国民の距離感を見直す契機として活かせるかが、問われているのです。

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この記事を書いた人
Rouma

日々のニュースやSNSの話題できになることを中心に、感じたことや、役立った情報をお届けしています。

新聞配達、データ入力、動物病院の助手、ペット用品の販売、製薬会社や銀行での派遣事務など、さまざまなお仕事を経験。現在は在宅で事務代行をしながらライターとして活動しています。

小学生の子供と柴犬に癒される日々です。

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