りくりゅうが、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで日本フィギュアスケート史に新たな1ページを刻みました。
ショートプログラム5位と出遅れながら、フリーで世界歴代最高得点を叩き出し、頂点に立った三浦璃来・木原龍一組。“りくりゅう”の金メダルは、日本ペア競技史上初の快挙であり、現行採点方式における最大差逆転という記録も打ち立てました。
りくりゅうが成し遂げた歴史的な金メダル
三浦璃来選手と木原龍一選手のペアは、「りくりゅう」の愛称で親しまれ、これまで世界選手権優勝やグランプリファイナル制覇など、国際大会で着実に実績を積み上げてきました。日本のペア競技を長年けん引してきた存在であり、今大会でも金メダル候補として注目されていました。
しかし、ショートプログラムでは思わぬ展開となります。得意としていたリフトでバランスを崩し、演技全体の流れがやや乱れ、得点は伸び悩みました。結果は5位スタート。首位との差は6.9点と決して小さくはなく、優勝を狙うには厳しい状況でした。
それでも2人は落ち込むことなく、翌日のフリーにすべてをかけます。
りくりゅう大逆転 フリーで見せた圧巻の演技
フリースケーティングでは、第3グループの最終滑走として登場。会場の空気が張りつめる中、演技は冒頭の3回転ツイストリフトから完璧な形でスタートしました。続くジャンプシークエンスも安定感があり、ショートで失敗したリフトもこの日は高い精度で成功させます。
さらにスローの3回転ルッツ、スローの3回転ループも鮮やかに着氷。後半に入っても集中力は切れず、息の合った滑りと豊かな表現力で会場を一気に引き込みました。演技が終わると観客は総立ちとなり、リンク上で三浦選手と木原選手が涙を流しながら抱き合う姿が印象的でした。
得点は158.13点。これはフリーでの世界歴代最高得点という驚異的な記録です。合計点は231.24点となり、ショート5位からの大逆転優勝を果たしました。6.9点差をひっくり返しての優勝は、現行採点方式において最大差の逆転とされ、まさに歴史的な勝利となりました。
そしてこの瞬間、日本フィギュアスケート史に新たなページが刻まれます。ペア競技での金メダルは、日本史上初の快挙でした。
他国勢との激しい争い
今大会のペア種目は、実力が拮抗した強豪が揃い、最後まで結果が読めない展開となりました。
ショートプログラムで首位に立っていたのは、ドイツのミネルヴァ・ファビエンネ・ハーゼ/ニキータ・ボロディン組です。安定した技術力と完成度の高い演技でトップに立ち、優勝候補の一角として注目されていました。
また、ジョージアのアナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラバ組も高いジャンプ成功率とスピード感のある演技で強さを見せ、表彰台争いに加わっていました。
こうした強豪がひしめく中で、りくりゅうはフリーで最高の演技を披露し、一気に順位を押し上げました。最終的にはジョージア組が銀メダル、ドイツ組が銅メダルとなり、日本ペアが頂点に立つ結果となりました。この逆転劇は、世界のトップ選手が集まる五輪の舞台だからこそ生まれた、非常に価値の高い勝利だったと言えます。
りくりゅうが日本ペア競技の歴史を変えた
これまで日本のフィギュアスケートは、男女シングルを中心に世界トップクラスの実績を築いてきました。しかしペア競技では長くメダルに届かない時代が続いており、世界との差を指摘されることも少なくありませんでした。
そうした中で、三浦選手と木原選手は長年にわたって競技力を高め、世界選手権優勝という大きな成果を積み重ね、日本のペア競技を世界の舞台へと押し上げてきました。
そして今回のオリンピックでついに金メダルを獲得。これは単なる一つの優勝ではなく、日本のペア競技が世界の頂点に立ったことを意味する象徴的な出来事です。今後の若い選手たちにとっても大きな目標となり、競技全体の底上げにつながる可能性があります。
団体戦から続く勢い
りくりゅうは今大会の団体戦でもショート、フリーともに好演技を見せ、日本の2大会連続銀メダル獲得に大きく貢献していました。団体戦での経験が個人戦での自信につながり、ショートのミスがあっても気持ちを切らさずにフリーへ臨めた要因の一つとも考えられます。
また、この金メダルにより、日本は今大会のメダル数で過去最多の「18」に並びました。大会はまだ続いており、さらなる記録更新への期待も高まっています。
記憶に残るりくりゅう「逆転」の価値
スポーツにおいて逆転劇は多くの人の心を打ちますが、オリンピックという大舞台で、しかも世界歴代最高得点を出しての逆転というのは非常に稀な出来事です。
ショートプログラムでの出遅れ、重圧のかかる最終滑走、それでも最高の演技をやり切った精神力。この一連の流れが、多くの観客や視聴者に強い感動を与えました。
三浦選手が涙を浮かべ、木原選手が号泣する姿は、これまでの努力と重圧、そして達成感が一気にあふれ出た瞬間だったのでしょう。その光景は、今回の冬季オリンピックを象徴する名場面の一つとして語り継がれていくはずです。
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックとは
2026年の冬季オリンピックは、イタリアのミラノとコルティナ・ダンペッツォを中心に開催されている国際大会で、開催期間は2026年2月6日から2月22日までの17日間です。冬季オリンピックとしては24回目の大会となり、スキー、スケート、アイスホッケー、カーリングなど、氷雪競技の世界最高峰の舞台として世界中の注目を集めています。
今回の大会は、都市単独開催ではなく、複数の都市が役割を分担する「分散開催型」が特徴です。フィギュアスケートはミラノのアイススケートアリーナで行われ、日本時間では深夜から早朝にかけて競技が進んでいます。日本勢は今大会も好調で、多くの種目でメダルを獲得し、冬季オリンピックの中でも屈指の盛り上がりを見せています。
まとめ
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックのフィギュアスケート・ペア競技で、三浦璃来選手と木原龍一選手の「りくりゅう」ペアが金メダルを獲得しました。ショートプログラム5位からの大逆転、フリー世界歴代最高得点という記録、日本史上初のペア金メダルという三つの大きな価値が重なった歴史的な勝利です。
この快挙は、日本のフィギュアスケート界にとって新たな時代の到来を感じさせる出来事となりました。これまでシングル中心だった日本の強さが、ペア競技でも世界トップに到達したことを証明したからです。
大会はまだ続いていますが、この金メダルはすでに今大会を代表する名場面の一つとなっています。りくりゅうの演技は、多くの人に「最後まで諦めないことの大切さ」を伝えた、記憶に残る一日となりました。




