2026年1月19日夕方、高市早苗首相は記者会見を開き、1月23日に衆議院を解散する方針を正式に表明しました。総選挙は1月27日公示、2月8日投開票という極めて短期決戦となります。
会見で首相は、「高市早苗が総理大臣としてふさわしいかどうかを、主権者である国民の皆様に決めていただきたい」と述べ、今回の選挙を自身の進退をかけた国民投票と位置づけました。
そして、この解散表明と同時に打ち出されたのが、飲食料品の消費税を2年間ゼロにするという政策です。この突然の発表は、ネット上を中心に大きな波紋を呼ぶことになりました。
食品消費税2年ゼロとはどのような政策か
高市首相が表明した政策の柱は、現在軽減税率8%が適用されている飲食料品について、2年間に限り消費税を課さないというものです。
首相は会見で、次のように説明しました。
- 物価高騰が続く中で、特に低所得世帯の負担を軽減する必要がある
- 食品は生活必需品であり、最も効果的な支援策である
- この政策は自民党と日本維新の会の連立合意に盛り込まれている
- 自身にとっても「悲願」である
一方で、開始時期や具体的な制度設計、財源の確保については明言されず、選挙後に設置する「国民会議」で検討すると述べるにとどまりました。
過去には「レジ問題」を理由に否定していた
今回の発表が強い反発を招いている最大の理由は、高市首相自身が過去に同様の政策を否定していた点にあります。
2025年の臨時国会において、食品消費税ゼロについて問われた際、高市首相は次のような趣旨の答弁を行っていました。
- 日本のPOSレジシステムは税率8%と10%で固定されている
- 食品だけ税率を0%にすると、大規模チェーンを中心に改修が必要
- レジ改修には1年以上かかるケースもあり、即効性がない
この答弁は「レジ問題」として知られ、消費税ゼロが実現しない理由の象徴として繰り返し使われてきました。
そのため、今回の会見で突然「2年間ゼロにする」と表明したことに対し、多くの人が強い違和感を覚えたのです。
食品消費税ゼロ ネット上で噴出する疑問
SNSやコメント欄では、発表直後から次のような声が相次ぎました。
- 「レジが無理って言ってなかった?」
- 「あれだけレジを理由に却下していたのに、急にどうした」
- 「選挙になった途端に言い出したように見える」
- 「レジ問題は解決したのか説明がない」
- 「結局、選挙対策ではないか」
特に多かったのが、過去の発言との整合性を問う声です。「できない理由」を説明していた本人が、なぜ今になって可能だと判断したのか、その説明が十分になされていません。
レジ問題は本当に解決できるのか
食品消費税をゼロにする場合、実務上の課題はやはりPOSレジです。
現在の日本の小売現場では、
- 軽減税率8%
- 通常税率10%
この2つを前提に、在庫管理や会計システムが構築されています。税率を0%にする場合、単純に数字を変えるだけでは済まず、
- 税区分の追加
- 返品・値引き処理への対応
- 会計データと税務処理の整合性
など、多くの調整が必要になります。
小規模店舗では比較的柔軟に対応できる一方、大手スーパーやコンビニチェーンでは、全国規模でのシステム改修が必要となり、時間とコストがかかるのは事実です。
この点について、今回の会見では具体的な技術的説明やスケジュールは示されませんでした。

財源問題というもう一つの大きな壁
消費税は、日本の税収の中でも特に重要な基幹税です。食品消費税を2年間ゼロにした場合、年間で数兆円規模の税収減が生じると見られています。
本来であれば、
- どの財源で穴埋めするのか
- 社会保障費への影響はどうするのか
- 他の税制との整合性は取れるのか
といった点を丁寧に説明する必要があります。
しかし高市首相は、「国民会議で検討する」と述べるにとどまり、具体案は示されませんでした。この点も「選挙向けの打ち上げ花火ではないか」と疑われる要因となっています。
与党内外の受け止め
与党内でも、この政策に対する評価は割れています。
- 物価高対策として評価する声
- 選挙の目玉としては弱いという声
- 財源が不透明で無責任だとする慎重論
一方、野党側からは、「なぜ今なのか」「過去の答弁との矛盾を説明すべきだ」という批判が相次いでいます。恒久的な減税を主張する政党からは、「2年限定では不十分」との指摘も出ています。
食品消費税ゼロは実現するのか
今回の「食品消費税2年ゼロ」は、衆院選における高市首相の看板政策となる可能性があります。しかし、
- レジ問題の具体的な解決策
- 財源の明確化
- 制度設計の現実性
これらが示されなければ、実現は容易ではありません。
選挙期間中、この政策についてどこまで具体的な説明がなされるのか、有権者の厳しい視線が注がれることになりそうです。
発言の一貫性と説明責任が問われている
高市首相が表明した「食品消費税2年間ゼロ」は、家計支援策としてのインパクトは大きいものの、過去の「レジ問題」発言との矛盾が強く意識される政策です。
ネット上では、「選挙対策」「説明不足」「ご都合主義」といった批判が相次いでおり、単なる政策の是非を超えて、政治姿勢そのものが問われている状況だと言えるでしょう。
今後の選挙戦では、この減税策が実現可能な政策なのか、それとも一時的な公約にとどまるのか、具体的な説明が強く求められます。

