共通テストで相次ぐ不正行為と話題の出題内容 スマホ使用で失格、世界史にベルばら

共通テストで相次ぐ不正行為と話題の出題内容 スマホ使用で失格、世界史にベルばら 時事・ニュース
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2026年1月に実施された大学入学共通テストは、不正行為による失格者の発生と、印象的な出題内容の両面で注目を集めました。スマートフォンを使ったカンニングや答案ののぞき見といった不正が明るみに出る一方、世界史では人気漫画「ベルサイユのばら」、地学では「タイムマシン」というユニークな設定が登場し、受験生や保護者の間で話題となっています。

本記事では、共通テストで何が起きたのかを整理しつつ、不正行為の背景や出題の狙い、今後の課題についてわかりやすく解説します。


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共通テストで明らかになった不正行為— 受験生7人が失格

大学入試センターは、共通テストの試験時間中に不正行為が確認された受験生7人を失格としたと発表しました。確認された行為の中で特に問題視されたのが、スマートフォンの使用です。

写真撮影と外部送信 警察相談に発展したケース

千葉県、宮城県、福岡県では、それぞれ試験中にスマホを使用していた受験生が確認されました。福岡県のケースでは、数学の試験中にスマートフォンを操作していたことが判明し、端末内からは試験会場で撮影されたとみられる写真が約200枚見つかっています。本人は「試験後にネットで知り合った人物に送信した」と説明しており、試験会場となった大学は警察に相談、警察が任意で事情を聴く事態にまで発展しました。

電卓・検索機能の使用など巧妙化する不正

千葉県では公民の試験中にスマホを足に挟み、日本史に関する情報を閲覧していたケース、宮城県では電卓機能や検索機能を使用したケースも確認されています。これらについては外部への送信は確認されていないものの、いずれも不正行為として厳しく対処されました。

のぞき見や持ち出しも確認 多様化する違反行為

さらに、岐阜県では他の受験者の答案をのぞき込んだ受験生が1人確認されています。東京都では、定規の不正使用、机への化学式の書き込み、試験時間中の問題冊子の持ち出しといった行為がそれぞれ確認されました。持ち出された問題の流出は確認されていませんが、試験の公平性を揺るがす行為であることに変わりはありません。

共通テスト不正行為の代償は「失格」 

このような不正行為は、試験公平の観点から極めて重い扱いを受け、失格処分となります。不正行為が発覚した受験生には再受験の資格が失われるため、大学受験全体への影響が大きいことが指摘されています。

なお、日本国内だけでなく、海外でも類似した大学入試における不正行為が報告されており、例えば韓国の大学修学能力試験(CSAT)でもスマートフォンや電子機器によるカンニングが複数件確認されています。
このように、全国規模の学力検査における不正行為は各国で課題となっています。


初のオンライン出願で変わった共通テストの手続き

2026年度の共通テストでは、制度面でも大きな変化がありました。これまで紙中心だった出願手続きが見直され、初めてオンライン出願が本格導入されたのです。

出願はインターネット上で行い、受験票についても従来のように郵送されるのではなく、各自がダウンロードして印刷し、試験会場へ持参する方式に変更されました。大学入試センターは、受験票の印刷忘れや不備がないよう、事前の確認を強く呼びかけていました。

利便性が向上した一方で、「プリンターを持っていない」「印刷環境の差が不安」といった声もあり、デジタル化に伴う課題も浮き彫りになっています。


受験票の自己管理が必須に ミスは自己責任

今回の共通テストでは、受験票を各自で管理する必要があるため、紛失や印刷忘れは原則として受験生側の責任となります。試験当日、受験票がない場合は本人確認に時間がかかることもあり、試験運営に影響を及ぼす可能性があります。

この点については、「不正防止の観点では合理的」「受験生の自己管理能力も問われる」と評価する声がある一方で、「受験生への負担が増えた」との指摘もあります。共通テストのデジタル化は始まったばかりであり、今後の改善が注目されます。


リスニング試験中にアラーム 再試験となったケースも

試験運営をめぐっては、英語リスニング試験中にアラーム音が鳴るトラブルも発生しました。スマートフォンや腕時計などから音が鳴ったことで、試験に支障が出たと判断された会場では、再試験が行われています。

アラーム音が鳴った原因については、完全に電源を切れていなかったケースや、設定ミスによるものが多いとみられています。受験生本人に悪意がなかった場合でも、周囲の受験生に影響を与えたと判断されると、試験のやり直しという対応が取られることがあります。

リスニング中の置き時計鳴動などで 共通テスト114人が再試験対象 | 毎日新聞
17日に実施された大学入学共通テストの英語(リスニング)で、会場で携帯電話が鳴るなどし、東京都と三重県の2会場の113人が再試験の対象となった。  大学入試センターによると、東京都目黒区の東京科学大では受験生が机上に置いていた小型置き時計の...

不正ではなくても厳格な対応 公平性を最優先

リスニング試験の再試験は、カンニングなどの不正行為とは異なりますが、試験の公平性を守るための措置として行われています。音による集中力の低下は、試験結果に影響を与えかねないためです。

共通テストでは、意図的な不正かどうかにかかわらず、試験環境を乱す行為やトラブルについては厳格に対応する方針が取られています。受験生には、電子機器の電源管理や持ち込み物の確認を徹底することが、これまで以上に求められています。

世界史に登場した「ベルサイユのばら」が話題に

一方で、試験内容そのものも大きな注目を集めました。歴史総合・世界史探究では、フランス革命を扱う問題の資料として、漫画「ベルサイユのばら」が使用されました。

「ベルサイユのばら」は、フランス革命期の宮廷社会を舞台にした作品で、長年多くの読者に親しまれてきた名作です。今回の共通テストでは、作品の世界観や描写を単なる娯楽としてではなく、歴史的背景を理解するための資料の一つとして扱い、そこから読み取れる情報をもとに設問に答えさせる形式が採られました。

この出題については、「意外性があって印象に残った」「漫画でも歴史資料として扱われる時代になった」といった声が上がる一方、「作品を知らないと不利ではないか」といった不安の声も見られました。ただし、問題自体は作品を知っているかどうかではなく、提示された資料を読み取り、歴史的状況を考察できるかどうかが問われており、知識量よりも思考力を重視する共通テストの方向性を象徴する出題だったといえます。


地学では「タイムマシン」というユニークな設定

理科の地学分野でも、印象的な出題がありました。試験では「タイムマシンで過去や未来を観測する」という仮定の設定が登場し、受験生の間で話題になりました。

この問題では、過去の天文現象や地球環境を観測するという設定を通じて、地学の基本的な原理や法則を理解しているかが問われています。あくまで空想的な設定ではありますが、科学的な考え方を使って筋道立てて考える力が求められる内容でした。

近年の共通テストでは、こうしたストーリー性のある問題や、日常生活や想像上の状況を活用した出題が増えています。これは、単に用語を暗記しているかどうかではなく、知識を使って考える力を測ろうとする意図の表れといえるでしょう。


共通テストに求められる力と今後の課題

今回の共通テストを振り返ると、不正行為への対応と出題内容の工夫という、二つの側面が浮かび上がります。不正行為については、スマートフォンをはじめとする電子機器の扱いをどう管理するかが、今後ますます重要になっていくと考えられます。技術の進歩とともに、試験運営側にも柔軟で現実的な対策が求められています。

また、オンライン出願や自己印刷の受験票、電子機器トラブルへの対応など、2026年の共通テストは「デジタル化時代の入試」の課題を多く示しました。便利さと引き換えに、受験生一人ひとりの準備や注意が、これまで以上に重要になっています。

一方で、出題内容に関しては、漫画や仮想設定といった親しみやすい素材を使いながらも、しっかりと学力を測ろうとする姿勢が見て取れます。世界史の「ベルサイユのばら」や地学の「タイムマシン」は、その象徴的な例といえるでしょう。

共通テストは、大学入試の基礎となる重要な試験です。公平性を保ちながら、時代に合った学力をどう評価していくのか。そのバランスが、今後も問われ続けることになりそうです。

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