2026年1月6日から、牛丼チェーンの「松屋」と人気キャラクター『ちいかわ』のコラボレーションキャンペーンが全国の松屋・松のやで始まりました。
このコラボは、漫画・アニメ界でも絶大な人気を誇る『ちいかわ』のキャラクターを起用したもので、特別メニューの注文で限定オリジナルグッズがもらえるという趣向です。
ファンの期待値は高く、SNSやネット上では多くの反響が集まっていますが、一方で“ルール違反”や“転売問題”“長時間待ち行列”など批判的な声も多数上がっています。本記事では、今回のコラボの基本情報とともに、現状起きている課題とそこから見える社会的な背景について整理して解説します。

松屋×『ちいかわ』コラボキャンペーンの概要
松屋フーズは2026年1月6日午前10時より、『ちいかわ』とのコラボキャンペーンを実施しています。本キャンペーンの実施期間は2026年1月6日~3月31日までで、全国の松屋・松のやが対象です。※一部未実施店舗ありのため事前確認が推奨されています。
キャンペーン内容は以下の通りです。
コラボメニューと特典
- 第1弾:ちいかわのすき焼き鍋膳(税込1,580円)
→ 注文1品につき、「オリジナル食券キーホルダー」(ランダム 全6種)を1個プレゼント。 - 第2弾:ちいかわの鬼辛カレー
→ 注文1品につき、「オリジナルフィギュア」(ランダム 全6種)を1個プレゼント。 - おこさまメニュー
→ 注文1品につき、それぞれ特典グッズ(ハンドタオル/スライドパズル)がプレゼントされます。
購入制限
今回はコラボグッズの公平な配布と過度な買い占め防止を目的として、「お1人様1日1食まで」、おこさまメニューは小学生以下を対象、子供1人につき1日1食、「お1人様1日3食まで」という数量制限が設けられています。さらに「数量限定」での提供となっていることも公式告知されています。
このように、運営側はファン全員が楽しめるよう注意を払っていますが、実際の当日の状況を見ると、予想以上の熱狂が起きていることが浮き彫りになっています。
行列と提供時間の長さ──コラボメニューの“混雑”問題
『ちいかわ』コラボの第1弾である「すき焼き鍋膳」は、通常メニューより調理に時間がかかることもあり、一部店舗で長い行列が発生しました。なかには1時間以上待つケースも報告されています。提供時間が長いことへの不満がSNS上でも見られ、公式X(旧Twitter)のコメント欄では批判の声も散見されました。
松屋の広報担当によると、キャンペーン期間中は調理工程の都合や店舗の混雑状況により待ち時間が発生することがあるとし、「可能な限り対応を検討している」との回答がされました。
このように、提供側も状況を把握して対応に努めていますが、店舗レベルでの人手不足やピーク時の混雑対策は依然として課題と言えます。
“ルール違反”の指摘──店舗ハシゴや過剰注文の問題
松屋は公式注意事項として「お1人様1日1食まで」と明記していたにもかかわらず、ネット上ではルールを破る利用者と見られる投稿が散見され、批判が広がっています。たとえば「1店舗につき1日1食までと解釈し、複数店舗を渡り歩いた」という投稿がSNSに上がり、これが物議を醸しました。この投稿はその後削除されていますが、複数店舗を跨いだキャンペーン利用については運営側も対策が難しいとされています。
ルール違反自体が一部のファンのモラル問題としても捉えられており、公式側は店舗横断での制限管理ができないことを前提に注意喚起を続けています。
転売・フリマアプリでの出品急増──限られたグッズの副作用
今回のコラボ商品最大の問題となっているのが、転売行為の横行です。限定グッズが手に入るという理由で、フリマアプリやオークションサイトに多数の出品が確認されています。公式は「転売、再販売、営利目的でのご購入をお断りいたします」という注意書きを明記していたにもかかわらず、その制約を逸脱した売買が行われている状況です。
過去に同様のコラボで発生した例として、日本マクドナルドの『ちいかわ』ハッピーセットでは、数量限定の景品がフリマサイトに大量出品されるなどして販売終了が早まる事態に発展しました。この騒動に伴い、マクドナルドは一部販売を早期終了するなど対応を迫られています。
過去の事例からも、限定コラボグッズはファンの期待を超える人気を集めることで、転売の温床になりやすいという構造的な課題があることがわかります。

なぜ“転売”は止まらないのか──需要と供給のミスマッチ
限定グッズの転売は、単なる“悪意ある行為”と片付けられるものではありません。背景にはキャラクター人気の高さ、供給数量の制限、そしてフリマアプリの手軽さがあります。
『ちいかわ』は漫画・アニメファンを幅広く持ち、キャラクターグッズやコラボアイテムは国内外のコレクター需要があります。特定アイテムの希少性が高まると、正規ルートで入手できなかった人が副次的な市場に流れるという構図が生まれ、結果として価格が高騰して転売行為が発生しやすくなるのです。
数量制限を設けること自体は公平性を担保するために有効ですが、市場の需要と供給のバランスが取れていない場合、単純な制限だけでは根本的な解決にはなりません。この点は過去の企業の体験や業界全体で議論されるべき課題でもあります。
消費者・企業双方の視点から考える対策
今回の松屋のコラボキャンペーンは、企業側の狙いとして「キャラクター人気を活かした集客」「ファンとの接点強化」がある一方で、転売問題や過熱した行列、ルール違反といった負の側面も浮き彫りになりました。消費者・企業双方が納得できる対応策として、以下のような取り組みが考えられます。
企業側で検討可能な対策例
- 抽選・事前予約制の導入
希少グッズをランダム配布ではなく抽選に切り替えることで、過度な行列や転売の動機を抑制できます。 - 本人確認を伴う購入制限
店舗間で認証が共有される仕組みを作るなど、購入制限の実効性を高めることが考えられます。 - キャンペーン延長・追加供給
高い需要を鑑みて供給量を調整することで、希少性による転売価格の上昇を抑止することも可能です。
消費者側でできること
- ルールを順守した行動
購入制限や注意事項を守ることが一番大切です。モラルを持った行動がファンコミュニティ全体の価値を高めます。 - 転売市場を利用しない選択
転売品は価格が割高になるだけでなく、原則として“趣旨から逸脱した入手方法”です。公式ルートでの購入を優先する姿勢が望まれます。
まとめ
松屋×『ちいかわ』のコラボキャンペーンは、人気キャラクターの魅力と飲食チェーンの戦略が合わさった注目のプロモーションです。一方で数々の課題が明らかになり、ルール違反や混雑、転売問題という社会的な議論を呼んでいます。
企業側は趣旨を尊重した運営を模索しつつ、フードサービスの枠を超えた“ファンとの関係性づくり”のあり方を問われています。同時に、消費者側もルールやマナーを尊重する意識を持つことで、すべての人が安心してキャンペーンを楽しめる環境が形成されることが期待されます。

