金融庁が検討を進めている「プラチナNISA」は、65歳以上の高齢者を対象とした新たな少額投資非課税制度です。この制度は、高齢者の資産運用ニーズに応えることを目的としており、特に毎月分配型の投資信託を非課税で利用できる点が特徴です。
プラチナNISAはいつから?新NISAとの違い
「プラチナNISA」は、2026年度の税制改正での導入が検討されており、65歳以上の高齢者を主な対象としています。この制度では、毎月分配型の投資信託を非課税で保有できることが特徴です 。
一方、2024年から開始された「新NISA」は、長期的な資産形成を目的としており、毎月分配型の投資信託は非課税対象外とされています 。
プラチナNISAスイッチング機能の導入
プラチナNISAでは、「スイッチング機能」の導入が検討されています。
これは、ある投資信託を売却し、その資金で別の商品に乗り換える際に非課税枠を消費しない仕組みで、確定拠出年金(iDeCoや企業型DC)では既に導入されています 。
プラチナNISAのメリットとデメリット
メリット
- 毎月の現金収入: 毎月分配型の投資信託を非課税で保有できるため、年金などに加えて定期的な現金収入を得られる可能性があります。
- 非課税メリット: 現行NISAと同様に、分配金や売却益が非課税となります。
- 制度上の柔軟性: 現行のNISA口座で保有する資産をプラチナNISA口座に移管したり、毎月分配型投資信託へスイッチングしたりすることが検討されています 。
デメリット
- 元本割れのリスク: 毎月分配型の投資信託は、運用状況によっては元本を切り崩して分配金を支払う場合があり、長期的な資産形成にはつながりにくいと指摘されています 。
- 手数料の高さ: 毎月分配型の投資信託は、他の投資信託と比較して手数料が高い傾向があります。
- 金融リテラシーの必要性: 高齢者が制度を適切に利用するためには、金融商品に関する知識や判断力が求められます。
高齢者が適切に商品を選ぶために
高齢者がプラチナNISAを活用する際には、以下の点に注意することが重要です。
- 情報収集と理解: 金融商品の仕組みやリスクについて十分に理解することが必要です。
- 専門家への相談: ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、自身のライフプランに合った投資戦略を立てることが望ましいです。
- 家族との連携: 家族と情報を共有し、意思決定をサポートしてもらうことで、より安心して制度を利用できます。
プラチナNISAは相続税がかかるのか
現行のNISAでは、死亡時に非課税口座が終了し、課税口座に移行されるため、相続時に税負担が発生します。プラチナNISAでは、相続税の優遇措置との連携が議論されており、実現すれば資産運用と相続時の税負担軽減の両立が可能になる可能性があります 。
結論
プラチナNISAは、高齢者の資産運用ニーズに応える新たな制度として期待されていますが。その狙いは高齢者のたんす預金を投資へ移行することにあると考えられます。
しかし、制度の仕組みやリスクを十分に理解し、慎重に活用することが求められます。特に、金融リテラシーの向上や専門家への相談、家族との連携が重要です。