“身だしなみ規定緩和”:東京メトロもスニーカーOKに

身だしなみ規定緩和:東京メトロでもスニーカーOKに 時事・ニュース

近年、接客業において、従業員の身だしなみに関する規定が緩和される動きが広がっています。この変化は、労働力不足への対応や多様性の尊重といった社会的背景を反映しています。

東京メトロは、2025年5月1日より駅社員や乗務員の制服着用時の身だしなみルールを大幅に改正しました。この変更は、社員の働きやすさの向上と多様性の尊重を目的としています。


東京メトロ:制服着用時の身だしなみルール主な改正内容

東京メトロの公式ニュースリリース

1. スニーカーの着用が可能に

これまで革靴やローファーに限定されていた足元の規定が緩和され、暗色系のスニーカーの着用が認められました。これにより、長時間の立ち仕事や移動が多い業務において、足への負担軽減が期待されます。

2. ネクタイの着用が任意に

従来、原則として着用が求められていたネクタイが、通年で任意となりました。これにより、気温や個人の快適さに応じた柔軟な対応が可能となります。

3. 髪色の規定緩和

髪の染色について、従来よりも明るい色まで許容されるようになりました。具体的には、JHCA(日本ヘアカラー協会)のレベルスケール11番以下の色までが認められます。

4. 装飾品の着用が一部解禁

これまで結婚指輪を除き禁止されていた装飾品の着用が、業務に支障のない範囲でシンプルなもの1点に限り認められるようになりました。また、性別に関係なくイヤリングやピアスの着用が可能となり、男女別の基準が撤廃されました。

5. 夏制服の着用期間の延長

近年の気候変動を考慮し、夏制服の着用期間が従来の「5~10月」から「4~11月」へと拡大されました。これにより、寒暖差の激しい時期にも快適な勤務が可能となります。


改正の背景と目的

東京メトロは、社員が快適に働ける環境を整備するとともに、時代の変化に柔軟に対応するため、身だしなみルールの改正を行いました。特に、性別に関係なく装飾品の着用を認めるなど、多様性の尊重を重視しています。

また、社員が自ら信頼される身だしなみを選択できるようにすることで、働きやすさの向上を図っています。


身だしなみ規定の緩和事例

複数の企業が、従業員の個性を尊重し、働きやすい職場環境を整えるために、身だしなみのルールを見直しています。

  • りそな銀行:2023年11月1日より、従業員の服装を自由化しました。これにより、スーツやネクタイの着用義務が廃止され、勤務場所や業務内容に応じた服装が認められるようになりました。この取り組みは、従業員の自律性を高め、自由な発想を促進することを目的としています。
  • カスミ:2024年8月1日より、髪型や髪色、アクセサリーの着用について自由度を高めました。ただし、食品調理加工に従事する従業員には衛生面から一定の制限があります。
  • ライフコーポレーション:2024年7月1日から、清潔感と安全性を保ちながら、髪色・髪型・アクセサリー等のルールを緩和しました。
  • キョーエイ:2024年3月18日から、ヘアスタイルやアクセサリーに関する規定を大幅に緩和し、従業員の個性を活かした職場づくりを目指しています。

身だしなみ規定緩和の背景

身だしなみ規定の緩和は、以下のような社会的要因と関連しています。

  • 人手不足への対応:ツナグ働き方研究所の調査によると、販売・接客業では60.9%、飲食業では65.3%の職場で身だしなみの規定が存在していますが、ここ最近で身だしなみの自由度が増した職場は1割を超えています。
  • 多様性の尊重:企業は、従業員の個性や価値観を尊重し、自分らしく働ける環境を整えることで、多様な人材の活躍を促進しています。

銀行業界における身だしなみ規定の変化

銀行業界では、従来、男性は短髪でヒゲは禁止、女性は黒髪が基本とされ、アクセサリーやネイルも控えめにするなど、厳格な身だしなみ規定が存在していました。これらの規定は、銀行の堅実なイメージや顧客からの信頼を維持するためとされてきました。

しかし、近年では、若い世代を中心に自己表現の自由を重視する傾向が強まり、銀行業界でも多様性を尊重する動きが見られます。例えば、りそな銀行では、服装の自由化に加え、髪型や髪色に関する規定も見直されつつあります。

これにより、従業員はTPOに応じた服装や髪型を選択できるようになり、顧客とのコミュニケーションが円滑になるなどの効果が期待されています。


今後の展望

身だしなみ規定の緩和は、従業員の満足度向上や人材確保に寄与する一方で、清潔感や衛生面、安全性の確保といった課題も伴います。企業は、顧客に不快感を与えない範囲での自由度を模索しながら、バランスの取れたルール作りを進めていく必要があります。

今後も、働きやすい職場環境の整備と多様性の尊重を両立させる取り組みが求められるでしょう。

時事・ニュース
この記事を書いた人
Rouma

日々のニュースやSNSの話題できになることを中心に、感じたことや、役立った情報をお届けしています。

新聞配達、データ入力、動物病院の助手、ペット用品の販売、製薬会社や銀行での派遣事務など、さまざまなお仕事を経験。現在は在宅で事務代行をしながらライターとして活動しています。

小学生の子供と柴犬に癒される日々です。

Roumaをフォローする
タイトルとURLをコピーしました