高市派826人離党疑惑とステマ問題が示す総裁選の茶番構造

高市派826人離党疑惑とステマ問題が示す総裁選の茶番構造 時事・ニュース
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自民党総裁選を前に、小泉進次郎農林水産大臣を巡る疑惑が再び注目を浴びています。発端は、週刊文春が報じた「高市早苗氏の支持者とされる党員826人が意図的に離党処理され、総裁選の投票権を失っていたのではないか」という疑惑です。

この疑惑は、自民党神奈川県連が総裁選の投票資格を持つ党員数を「5万7344人から5万8170人」に訂正したことをきっかけに浮上しました。

前衆議院議員の中山展宏氏はSNS上で、「自分を通じて入党した826人が、不適切な手続きによって党員資格を失い、投票用紙が届いていなかった」と公表し、これは「選挙の正当性を損なう重大な問題だ」と強い口調で批判しました。中山氏はかつての総裁選で高市早苗氏を支持しており、今回資格を失った党員の多くが高市氏に投票する可能性があったとも指摘しています。


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小泉氏は「総裁選とは無関係」「知らなかった」と強く否定

この報道に対して小泉進次郎氏は、SNS上に約700文字の長文を投稿し、「離党処理が行われたのは総裁選が正式に決定する前の6月であり、総裁選とは関連しようがない」と強く反論しました。また、「今回の離党手続きについては初めて知った」「私は関与していない」と述べ、事実関係は県連で調査する方針を示しました。

しかし、この「知らなかった」という説明がかえって批判を呼んでいます。というのも、小泉氏は過去にも「ステマ問題(コメント操作疑惑)」で同様の発言をしていたからです。


ステマ疑惑でも「関与していない」 ── 本当に“事務所の暴走”だったのか?

先日、小泉氏は自身の会見動画に不自然な「好意的コメント」が大量に投稿されていたことで批判を浴びました。後に牧島かれん議員(当時)の事務所関係者が「協力者に好意的なコメントの投稿を依頼していた」と認めましたが、小泉氏は「自分は知らなかった」「最終的には私の責任」と述べるにとどまりました。牧島氏も「関係した人間とは縁を切る」としつつも、自らの辞任で幕引きを図ろうとする姿勢がありました。

この一連の説明に対し、一部の政治評論家は「単なる事務所スタッフの暴走ではなく、外部の選挙コンサルタントが世論誘導の一環として仕掛けた可能性がある」と指摘しています。実際、「菅義偉元首相に近いとされる選挙コンサルタントが小泉陣営の戦略を主導していた」という情報も出ており、「本人が直接指示したというより、裏で別の人物が仕掛けていた」という構図が取り沙汰されています。
出典元:選挙ドットコム


なぜ「茶番」と見られるのか ── 謝罪の形骸化と説明責任の欠如

小泉氏や牧島氏は「最終的には自分の責任」「深くお詫び申し上げる」と形式的には頭を下げています。しかし、その一方で「では何が問題で、どう再発を防ぐのか」という根本的な説明はありません。この姿勢に対し、識者の中には「謝罪というより“パフォーマンス”に過ぎない」「本質的な反省をしていないから同じ問題が繰り返される」と批判する声もあります。

ネット上でも「結局いつも“知らなかった”で済ませる人」「謝るが何も変わらない政治家」というイメージが固定化しつつあります。今回の826人離党疑惑がステマ問題の直後に出てきたことで、「世論操作の次は票の操作か」「勝つためなら何でもありなのでは」という視線も向けられています。


本当に「知らなかった」で済まされるのか

ももちろん、小泉氏の主張どおり、文春記事に事実誤認が含まれている可能性もあります。実際、小泉氏は「著しく事実に反する」として訂正を要求する構えを見せています。

しかし、問題は「知っていたか・知らなかったか」という一点ではありません。むしろ問われているのは、

  • 自分の名前で動いている組織の不正を、本当に“知らずに済む”体制なのか
  • 知らなかったのなら、なぜ“知らなくて済む”ようなマネジメントになっているのか
  • 裏で誰が意思決定しているのか

という「政治家としての統率力と説明責任」の部分です。


今求められているのは“謝罪”ではなく“主体的な説明”

小泉進次郎氏は「知らなかった」と繰り返すことで、自身の直接的な責任を回避しているように見えます。しかし、リーダーに求められるのは「知っていたかどうか」よりも「責任を持って事実を明らかにし、対処する姿勢」です。

今回の離党疑惑についても、ステマ問題と同様に「自分は関与していない」「調査する」というだけでは、国民の不信感は拭えません。むしろ、「私の名のもとに起きたことは、すべて私が調べて説明する」という覚悟を示せるかどうかが、政治家としての力量を測る分岐点になるでしょう。

総裁選を前に、小泉氏が次に語るべき言葉は「知らなかった」ではなく、「私が明らかにする」です。その一言が出てくるかどうかに、国民の視線が集まっています。

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