代引き配達で増加するネット通販トラブル──国民生活センターが注意呼びかけ

代引き配達で増加するネット通販トラブル──安心できない盲点とは? 時事・ニュース
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2024年度、国民生活センターへ寄せられたネット通販に関する消費者相談は1万4,000件を超え、その多くは代金引換(代引き)を利用した取引に関するものです

特に、「届いた商品が広告と異なり偽物だった」「販売サイトと連絡が取れない」といった相談が全体の53%を占め、非常に深刻な状況です。

また、3割近くのケースで「外国」が関係しており、国境を越えた取引ならではの問題点も浮き彫りになっています。2025年度に入っても、この相談件数は前年同期を上回るペースで推移しており、依然として対策が急務です。

“代引き配達”のトラブルに注意 開けると偽物などのケースも 国民生活センター(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
インターネット通販で商品の配達時に代金を支払う「代引き」でのトラブルが相次いでいるとして注意が呼び掛けられました。 国民生活センターによりますと、ネット通販における「代引き配達」によるトラブルが
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なぜ代引きが“トラブルの温床”に?

代引きとは、宅配業者を通じて商品を受け取る際に代金を支払う方法です。消費者としては「受け取ってから支払う=安心」と感じられるかもしれませんが、実際には以下のようなリスクが潜んでいます。

  • 商品が偽物だったとしても、宅配業者に返金を求められない。
    代引きの場合、代金は商品受け取り時点で支払われるため、開封後に偽物と判明しても宅配業者からの返金対応はほぼ不可能です。
  • 販売サイトが海外にあり、連絡不能となるケースが多い。
    返品や返金を申し出たくても、サイト運営者と連絡が取れず、実質的に泣き寝入りせざるを得ない消費者が多数発生しています。
  • 発送代行業者などが介在していて実態が見えづらい。
    販売サイトと消費者の間に複数の業者が介在することで、責任の所在が不透明になり、問題解決が困難になっています。

代引き通販で多い被害の実態

国民生活センターや消費者庁は、悪質な通販サイトによく見られる特徴を以下のように挙げています。

  • 市場では希少な商品が“簡単に入手できる”
  • ブランド品やお米などが不自然に安い価格で提示されている
  • 日本語表記に違和感がある、文章が不自然
  • 支払い方法が限定され、特に振込先が個人名義の場合がある
  • キャンセル、返品、返金に関する情報が不明瞭
  • 事業者の名称・所在地・電話番号が記載されていない、あるいは虚偽の可能性あり
  • 問い合わせ先がフリーメールアドレスのみ、または電話が通じない

こうした特徴を見かけた時点で、取引を中止する判断を強くおすすめします。

代引きトラブル事例:30代〜60代のケース

実際に寄せられた相談から、実例を紹介します。

  • 事例1(60代女性)
    口座振込により購入した書籍が届かず、連絡先の電話番号にかけても全く関係ない事業者につながった。商品の発送メールはあったものの、現実とのギャップに困惑。
  • 事例2(30代女性)
    SNS広告で「60%OFF」のブランドバッグを注文し、代引きで受け取ったが、開けてみたら粗悪な安物だった。宅配業者に返金を求めても「開封済みでは対応できない」と言われ、販売サイトも消滅。

これらからも、代引きがトラブル時に消費者に不利になることが明らかです。

代引き通販で被害に遭わないための予防策

国民生活センターは、以下の予防アドバイスを発信しています。

  • 注文前に、メーカーの公式サイトで取り扱いがあるかを確認する。偽物に関する注意書きがないかもチェック。
  • 少しでも「怪しい」と感じたら注文を見送る。
  • 被害に遭った場合は、速やかにクレジットカード会社や銀行に相談。加えて、警察への被害届提出を推奨。
  • 不安がある場合は、最寄りの消費生活センターか越境消費者センターに相談を。問い合わせは「188」、警察相談専用「#9110」などがあります。国民生活センター
  • 消費者庁もURL整合性・不自然な日本語・販売業者情報の有無などによるサイトの信頼性チェックを呼びかけています。

まとめ:代引き利用は慎重に、公式サイトで確認を

代引きをはじめとした支払い方法は、便利である一方で慎重な利用が求められます。とりわけ以下の点にはご注意ください。

  1. 価格や表現に違和感があるサイトには近づかない。
  2. 事業者情報が曖昧なサイトは信頼しない。
  3. 支払い方法や返品・返金条件は必ずチェック。
  4. 万一被害に遭ったら迅速に相談し、証拠(画面や取引記録)を残す。
  5. 専門家(消費生活センターや法律関係)への相談も視野に。

ネット通販は利便性が高い一方で、相手の実態が見えにくく、安全性を自ら確保する目が重要です。特に代引き取引では、安心できる背後の事業者かどうか、より慎重な判断が必要です。被害に遭わないためにも、国内外を問わず事業者の信頼性を確かめる習慣を、ぜひ持ちましょう。

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