2025年7月、私たちの家計にまた大きな負担がのしかかろうとしています。帝国データバンクの調査によると、7月の飲食料品の値上げは2105品目にのぼり、前年同月比でおよそ5倍という大幅な増加となることが明らかになりました。
これは単なる一時的な現象ではなく、夏から秋にかけて「値上げラッシュ」が続く見通しです。物価上昇に直面する私たち消費者は、今後どのように備えればよいのでしょうか。
2025年7月の値上げの傾向と対象商品
2025年7月は、飲食料品の値上げが前年比約5倍の2105品目に急増。背景には原材料高、物流費・エネルギーコストの上昇、賃上げの影響があり、夏以降も値上げラッシュが続く見通し。特に原油高と円安が価格上昇を押し上げ、家計への負担が一段と増すことが懸念されます。
2025年7月値上げするもの:食品
メーカー名 | 商品カテゴリ | 主な対象商品 | 値上げ幅 | 実施時期 |
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明治 | チーズ、バター・油脂類 | 明治北海道十勝スライスチーズ7枚入り、明治北海道バターなど20品目 | 約3~11% | 7月1日出荷分より |
雪印メグミルク | チーズ、バター、練乳(家庭用乳食品) | 雪印北海道バター、6Pチーズ、ベビーチーズ、さけるチーズなど52品目 | 約2.4~10.5% | 2025 年 7月1日(火) 特約店着分より |
森永乳業 | 家庭用バター・チーズの一部商品 | 森永北海道バター、クラフト フレッシュモッツァレラ、フィラデルフィア クリームチーズなど5品目 | 3.3~10.5% | 7月1日出荷分より |
ミツカン | 家庭用ぽん酢・鍋つゆ商品、納豆商品、業務用すし酢商品 | 味ぽん、ゆずぽん、くめ納豆 秘伝金印ミニ3、ごま豆乳鍋つゆなど69品目 | 7~17% | 2025年7月1日 |
味の素AGF | スティック58品種、インスタントコーヒー(調整品含む)34品種、ス ティックブラック30品種、レギュラーコーヒー29品種、パーソナルタイプドリップコーヒー25品 | ブレンディスティック、マキシム、ちょっと贅沢な珈琲店、森彦の時間など176品種 | 25%~55% | 2025年7月1日納品分より |
日清製粉ウェルナ | パスタ、パスタソース | マ・マースパゲティ1.6ミリメートル、「マ・マー」のトルコ製造品の一部と「ディ・チェコ」ブランドの製品 | 6~17% | 2025年7月1日納品分より |
エスビー食品 | カレー関連、香辛料、レトルト製品、ルウ | ゴールデンカレー、テーブルコショー20グラムなど617品目 | 8~17% | 2025年7月1日納品分より |
ニチレイフーズ | 業務用冷凍食品 | 輸入チキン加工品、卵商品、今川焼、クリームコロッケ | 3~8% | 2025年7月1日納品分より |
ロッテ | 菓子類(ガム、チョコレート、キャンディ、ビスケット) | コアラのマーチ、パイの実、トッポ、チョコパイパーソナルパックなど128品目 | 出荷価格に対して4.5%~47.2% | 2025年7月1日出荷分より |
亀田製菓 | 米菓 | 亀田の柿の種シリーズ、海苔ピーパック | 4%~23% | 2025年7月1日納品分より |
越後製菓 | パックごはん | 日本のごはん4食入、越後のごはん、非常用・備蓄用白飯など15品目 | 11~38% | 2025年7月1日出荷分より |
東ハト | スナック菓子 | 一部キャラクタースナック菓子 | 2025年7月1日納品分より |
なぜ2025年はここまで値上げが加速しているのか?
今年の値上げラッシュは、以下の複数の要因が重なっています。
- 原材料価格の高騰(国内外の供給不安、円安進行)
- 物流費・エネルギーコストの上昇
- 賃上げによる人件費の増加
- 中東情勢の緊迫による原油高騰
特に最近では、原油価格が再び上昇傾向にあることが深刻な懸念材料です。エネルギー価格が上がれば、電気代・ガス代の負担はもちろん、物流や製造コストも連鎖的に高くなり、最終的に私たちの購入する食品価格へと跳ね返ってきます。
もし原油が1バレル100ドルを突破するような事態になれば、2022年に見られた大規模な値上げ再来のリスクも現実味を帯びてきます。
2025年は年間2万品目超えも視野に
今回の値上げは7月だけで終わりません。
2025年の飲食料品値上げ品目数は、年間で2万品目超えがほぼ確実視されています。2022年に記録した年間2万5768品目という過去最多の水準に並ぶ可能性もあると言われており、今後も「物価上昇圧力」は根強く続くと見られています。
特に注意したいのは、秋冬にかけてエネルギー価格のさらなる上昇があれば、追加の値上げが発生する可能性が高いという点です。
私たちができる対策とは?
食品や日用品の値上げが続く中で、私たち消費者ができる工夫も重要です。
- まとめ買いのタイミングを見極める
- 値上げ前に長期保存可能な食品を購入しておく
- 節約・代替品の検討を進める
- 家計簿アプリを活用し、支出管理を徹底する
また、企業によってはポイント還元や値上げ前のセールを実施するケースもあります。今後も賢く情報収集し、生活防衛意識を持つことがますます求められる時代になってきています。
2025年7月の値上げまとめ
2025年7月の飲食料品値上げは、前年比5倍の2105品目が対象となり、夏以降も「値上げラッシュ」が続く見通しです。
家計に与える影響は避けられませんが、現状を正しく知り、早めの備えを進めることで、生活のダメージを最小限に抑えることは可能です。
今後のエネルギー価格や為替動向にも注目しつつ、引き続き家計防衛を意識していきましょう。