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「月曜から夜ふかし」街頭取材を再開──カラス問題・BPO審理中

「月曜から夜ふかし」街頭取材を再開──カラス問題・BPO審理中 エンタメ

日本テレビの人気バラエティ番組月曜から夜ふかしが、2025年5月12日、公式ホームページ上で休止していた街頭インタビューの再開を発表しました。

しかし、再開発表のタイミングが物議を醸しています。

というのも、番組は3月24日の放送で「中国ではカラスを食べる」という印象を与えるような不適切な編集を行い、それがBPO(放送倫理・番組向上機構)による審理対象となっている最中での再開表明だったからです。

視聴者からは、「謝罪したばかりで、もう再開?」「BPOの審理結果も出てないのに」と疑問や不信の声が多く寄せられています。

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月曜から夜ふかしで何があったの?

2025年3月24日放送の「月曜から夜ふかし」では、街頭インタビューで登場した中国出身の女性の発言が大きく編集されました。女性は実際には「中国ではカラスがあまりいない」と話しただけだったのに、番組では「中国ではカラスを食べる」という文脈にすり替えられて放送されたのです。

さらに「煮込んで食べる」といった言葉も挿入され、視聴者に「中国人はカラスを食べる」という印象を与える形となっていました。

これは事実とは異なる内容であり、制作者側も後に「意図的な編集だった」と認めました。


「月曜から夜ふかし」とは?独特の“ゆるさ”が魅力の長寿バラエティ

『月曜から夜ふかし』は、日本テレビ系列で放送されているバラエティ番組で、村上信五(SUPER EIGHT)とマツコ・デラックスの二人がMCを務めています。2012年に放送開始されて以来、世間の話題に“ゆるく”ツッコミを入れる独自のスタイルで人気を集めてきました。

番組は毎回、視聴者が気になっていること、SNSで話題になっているネタ、あるいは日常のちょっとした疑問などを、「○○の件」と題されたカード形式で紹介。VTRを見たMCの二人が、その内容についてユーモアたっぷりにトークを繰り広げるという構成です。ときに辛辣、ときに愛のあるコメントが飛び出すのが魅力で、深夜帯ながら高い視聴率を誇ってきました。

また、この番組の代名詞とも言えるのが街頭インタビュー。街行く人々に自由に話を聞くことで、個性あふれる市井の声を引き出し、VTRとして放送するのが名物コーナーです。そこから生まれたのが、「株主優待生活」でおなじみの桐谷さん、東北弁の訛りが愛されるフェフ姉さん&多田さん、謎多きマジシャンGOなど、“素人”発の名物キャラクターたち。こうした人物が長期的に登場し、番組の一つのシリーズとして成長していくのも見どころとなっています。

『月曜から夜ふかし』は、いわゆる情報バラエティや報道番組とは一線を画し、どこか“力の抜けた笑い”を提供する異色の番組として、多くの視聴者に愛されてきました。しかし、そんな番組にも、今回の「カラス問題」のように、思わぬ放送倫理の問題が影を落とすこととなりました。

なぜ問題になったのか?BPO審理入りの理由

この編集行為は、

  • 事実の捏造
  • 特定の国籍や文化に対する偏見の助長
  • インタビュー協力者への侮辱

といった観点から、視聴者や専門家から強い批判を受けました。

これを受けて、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会が、「重大な放送倫理違反の疑いがある」として審理入りを発表しました。

通常、BPOが審理入りするのは以下のようなケースです:

  • 虚偽の放送
  • 差別的な表現
  • 放送局が十分な対応をしていない場合

『月曜から夜ふかし』の今回の編集は、明らかにこれに該当しました。


担当ディレクターは誰だったのか?

2025年5月現在、問題のインタビューを担当したディレクターの氏名は公表されていません

3月31日の定例会見で日本テレビの福田博之社長が、編集したのは外部のフリーランスの男性ディレクターで、会社の聞き取りに対して差別的な意図はなかったと答えていると説明しました。

ただしネット上では過去のスタッフ情報を元に「○○が関係しているのでは?」という憶測が飛び交っており、一部SNSでは特定を試みる声も見られます。

日本テレビや番組公式は「担当者個人に対する攻撃は控えてほしい」と呼びかけており、個人情報の公開には慎重な姿勢を見せています。


バラエティ番組の「演出」ってどこまで許される?

今回の件で多くの視聴者が疑問を抱いたのは、「どこまでが演出で、どこからがやらせなのか?」という点です。

バラエティ番組では、出演者のコメントを「見やすく編集」することは一般的です。しかし、

  • 文脈を変える
  • 別の質問に対する回答を差し込む
  • 存在しない発言を作る

といった行為は、**「演出」の範囲を超えた「やらせ」「捏造」**とみなされます。

過去にBPO審理入りとなった主な番組例

① TBS『クレイジージャーニー』(2019年)

問題点:ヤラセ
爬虫類ハンターの回で、番組スタッフが事前に生物を用意し、それを出演者に「偶然発見した」かのように演出していたことが発覚。
結果:放送倫理違反と判断。番組は休止・のち打ち切り。


② 日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』(2018年)

問題点:ヤラセ演出(ラオスの「橋祭り」企画)
現地で行われていない「祭り」を、番組側が企画・実行した上で“現地の伝統行事”として放送
結果:BPOは「重大な倫理違反とは言えないが、誤解を招く編集があった」として注意喚起。


③ NHK『バリバラ』vs日本テレビ『24時間テレビ』(2016年)

問題点:障害者の描き方に関する対立
NHKの『バリバラ』が、24時間テレビの「感動ポルノ的演出」を批判する特集を放送。
結果:BPOに視聴者から両番組に関する意見が殺到したが、「放送倫理違反には該当しない」との見解。


④ フジテレビ『めちゃ×2イケてるッ!』(2017年)

問題点:差別表現(韓国人への侮辱的演出)
コント内で出演者が「朝鮮人か?」などの表現を使用し、ヘイトスピーチとの指摘が多数。
結果:BPOは人権委員会で審理。制作者側が「不適切だった」と認め謝罪。


⑤ 毎日放送(MBS)『VOICE』(2017年)

問題点:虚偽の報道
ある事件に関連する「インタビュー映像」に、実際には関係のない人物のコメントを放送
結果:重大な放送倫理違反と判断。MBSが再発防止策を発表。


⑥ テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』(2013年)

問題点:捏造されたインタビュー
「原発賛成派の住民」としてインタビューに応じた人物が、実際にはスタッフの知人で、立場も虚偽だった。
結果:BPOが「放送倫理違反」と断定。テレ朝は謝罪と再発防止を表明。


バラエティと報道の「倫理」はどこに?

これらの審理例からも分かるように、演出の域を超えて事実を捻じ曲げたり、視聴者を意図的に誤解させる放送は、BPOにとって重大な問題です。
また、やらせ」や「差別的表現」は特に厳しく審査される傾向にあります。

『月曜から夜ふかし』の「カラスを食べる」件も、こうした過去事例と非常に類似しており、BPOがどのような判断を下すかが注目されています。


BPOとは?何をする組織?

BPO(放送倫理・番組向上機構)とは、放送業界の自主規制機関であり、テレビやラジオ番組の倫理違反を調査・検証する役割を担っています。

今回のように問題が起きた場合、

  1. 視聴者からの苦情・通報を受けて調査を開始
  2. 放送倫理検証委員会が審理入りを判断
  3. 必要に応じて「意見」や「勧告」を発表

という流れで進みます。

BPOは法的な処罰権限を持っていませんが、その「意見」は社会的影響力が非常に大きく、放送局にとって無視できない存在です。


月曜から夜ふかし街頭取材再開:SNSの反応は?

問題発覚後、SNS上ではさまざまな声が飛び交いました。

批判的な声

  • 「中国人への偏見を助長する内容。最低だ」
  • 「やらせで笑いを取るなんて、見てて不快」
  • 「BPOに通報した」

番組を擁護する声

  • 「マツコと村上のトークは面白い。番組そのものは好き」
  • 「編集は悪いけど、全体がダメとは思わない」

疑問や不信の声

  • 「再発防止策と言ってるけど本当に変わるの?」
  • 「なぜ審理結果が出る前に街頭取材を再開するのか?」

今後、月曜から夜ふかしはどうなる?

現在、番組は街頭インタビューを再開することを発表していますが、BPOの審理結果が出ていない中での再開に「反省していないのでは?」との批判もあります。

また、「打ち切りになるのでは?」という憶測も出ていますが、2025年5月現在、正式な打ち切りの発表はされていません

しかしながら、今後のBPO審理の結果や、視聴者の信頼回復の度合いによっては、番組の存続に大きな影響が出る可能性もあります。


まとめ:テレビの未来と視聴者の声

『月曜から夜ふかし』の「カラス問題」は、単なるバラエティ番組の失敗ではなく、「メディアの信頼性」や「演出の倫理」を問う重要なケースとなりました。

視聴者の立場から見れば、「面白ければいい」という感覚から、「正確さ」「誠実さ」への意識転換が求められる時代に来ているのかもしれません。

テレビの在り方そのものが問われる今、制作側と視聴者双方の意識変化が求められています。

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この記事を書いた人
Rouma

日々のニュースやSNSの話題できになることを中心に、感じたことや、役立った情報をお届けしています。

新聞配達、データ入力、動物病院の助手、ペット用品の販売、製薬会社や銀行での派遣事務など、さまざまなお仕事を経験。現在は在宅で事務代行をしながらライターとして活動しています。

小学生の子供と柴犬に癒される日々です。

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