ゴールデンウィークや長期休暇中、車での移動が増える中、運転中スマートフォンのナビアプリをカーナビ代わりに使用する方も多いでしょう。
しかし、運転中のスマホ(携帯電話)使用には法律で定められた規制があり、違反すると厳しい罰則が科される可能性があります。
運転手が乗車中のスマホ操作はどこからどこまでが禁止なのでしょうか。以下に、運転中のスマホ使用に関する法的な注意点と安全運転のポイントをまとめました。
運転中のスマホの使用はどこから違反になるのか
運転中にスマートフォンを使用する行為は、2019年の道路交通法改正により大幅に厳罰化されました。特に「ながら運転」は重大な違反行為として扱われ、手に持って操作・通話・画面を注視することは明確に違反となります。
違反となる行為と罰則
- 手に持って通話や操作をする
- 画面を注視しながら運転する
このような行為に対しては、以下の罰則が科されます。
- 罰則:6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金
- 反則金(普通車):1万8千円
- 違反点数:3点
さらに、スマホ使用が原因で事故を起こした場合、
- 罰則:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
- 違反点数:6点(免許停止処分対象)
携帯電話の使用が直接の事故原因となった場合、道路交通法違反となり、罰則が科せられます。
ホルダー使用でナビとして使うのは違反ではない?
スマートフォンを車内のホルダーに固定してナビ代わりに使うこと自体は、道路交通法に違反する行為ではありません。ただし、画面を長時間注視したり、運転中に操作を行えば、安全運転義務違反に問われる可能性があります。
また、ホルダーの取り付け位置にも注意が必要です。フロントガラスやダッシュボードの視界を遮る場所に設置すると、整備不良車両とみなされ違反になる場合があります。
信号待ち・赤信号でのスマホ操作はOK?
道路交通法第71条第5の5項では、「当該自動車が停止しているときを除き」と明記されています。このため、信号待ちなどで停止中にスマートフォンを操作すること自体は違反とはされていません。
しかし、注意が必要なのは以下の点です。
- スマホに気を取られて信号が変わったことに気づかない
- 発進時にスマホを手に持っていた場合、違反とみなされる可能性がある
安全のためには、たとえ信号待ち中であってもスマートフォンの操作は最小限にとどめるのが望ましいです。
運転中の飲食は違反になるのか
道路交通法では「運転中の食事」自体を直接的に禁止しているわけではありませんが、安全運転義務(第70条)に照らし合わせると、運転中の飲食は違反とされる可能性があります。
実際に過去には、運転中にフライドポテトを食べていて気を取られ、事故を起こしたというケースも報告されています。片手運転になったり、食べ物を落として視線をそらしたりすることで、運転操作に支障が出れば、安全運転義務違反と判断されます。
特に危険なのは次のようなケースです。
- 両手が食べ物や飲み物でふさがっている
- 食事に気を取られ前方不注意となる
- 車内に熱い飲み物をこぼしてとっさに操作を誤る
安全を最優先に考えるのであれば、食事は必ず停車中や休憩中に行うべきです。
ハンズフリー通話は違反にならないのか
スマートフォンを手に持たずに通話する「ハンズフリー通話」は、現行の道路交通法においては違反とはされていません。ただし、通話中は注意力が散漫になるため、事故のリスクが高まります。
海外ではハンズフリー通話ですら禁止している国や州もあり、例えばイギリスやオーストラリアの一部地域では完全に通話を禁止しています。日本でも、各都道府県によってはイヤホン使用を制限する条例があります。
例:東京都では、高音量の音楽やラジオ、イヤホン使用により周囲の音が聞こえない状態での運転を禁じています。
ペットの同乗による事故の例
ペットを車に同乗させる場合も、安全運転の妨げにならないよう注意が必要です。犬が運転席に飛び乗ったり、膝の上にいたりすると、運転操作に集中できず、事故のリスクが高まります。
過去には、運転中に犬が膝の上に乗り、その拍子にハンドル操作を誤り、他車に衝突する事故も報告されています。ペットは必ずケージに入れるか、安全に固定できるシートベルト式ハーネスを利用しましょう。
まとめ:安全運転のためにできること
- スマートフォンは必ずホルダーに固定し、運転中は操作しない
- 信号待ちでもスマホ操作は最小限にとどめる
- 飲食は必ず停車時に行い、運転中は控える
- ハンズフリー通話も注意力低下のリスクがあるため、極力控える
- ペットは安全な場所に固定して同乗させる
ゴールデンウィークや旅行シーズンは特に交通事故が増える傾向にあります。運転中のほんの一瞬の気の緩みが重大事故を招くことを忘れず、安全第一の行動を心がけましょう。